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イージス・アショアはまだまし。安保政策への信頼を失わせた政府の数々の嘘

反対を恐れて嘘をつき、同意をとりつけて既成事実化するやり方が安保に与えた影響とは

山本章子 琉球大学准教授

 2020年6月15日、河野太郎防衛大臣は、新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画停止を表明した。

 イージス・アショアは、山口県と秋田県の自衛隊演習場が配備候補地とされていた。ところが、秋田では、防衛省の調査のずさんさが地元紙「秋田魁新報」の報道で明らかになり、山口では、防衛省が約束した、ミサイル発射時に切り離すブースターの演習場内落下が現状の性能では不可能であることが判明した。配備計画の停止は、その結果だとされる。

 イージス・アショアの配備撤回は、政府の安全保障政策に対する国民の信頼を失わせるものとして、大きく報道されたが、政府が最初から故意に嘘(うそ)をついたとはいいがたいという点で、まだましな事例である。

 実際には、もっとひどいものが幾つもある。これまでの安全保障政策の中には、故意に嘘をついて進めてきたものが少なくないからだ。そのなかには、後述するように、現在進行形の計画もある。本稿では、政府が噓を重ねながら進めてきた安保政策について、あらためて見ていきたい。

拡大自民党の会議でイージス・アショアの配備計画撤回について説明する河野太郎防衛相(左)=2020年6月25日、東京都千代田区永田町

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筆者

山本章子

山本章子(やまもと・あきこ) 琉球大学准教授

1979年北海道生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。2020年4月から現職。著書に『米国と日米安保条約改定ー沖縄・基地・同盟』(吉田書店、2017年)、『米国アウトサイダー大統領ー世界を揺さぶる「異端」の政治家たち』(朝日選書、2017年)、『日米地位協定ー在日米軍と「同盟」の70年』(中公新書、2019年)など。

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