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「安倍・麻生」vs「二階・菅」 国家権力を私物化する総裁選の行方

麻生総理、二階総裁、菅幹事長……「総総分離」案も浮上!?

佐藤章 ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長

 8月28日午後5時、安倍晋三首相は珍しくも左右前方のプロンプターなしに記者会見に臨んだ。プロンプターがないためか記者たちの質問に対する答えは短く、質問に立つ記者たちの数もいつになく多かった。

 午後6時ちょっと前、最後から二人目に質問に立った西日本新聞女性記者の質問は、その中で最も意味のある質問だったと私は思う。

 「森友学園、加計学園、桜を見る会の問題など国民から厳しい批判にさらされたこともあったと思います。こういったことに共通するのは、政権の私物化といったことではないか。それについて総理はどう考えますか」

 この指摘の通り、7年8か月にわたる安倍政権を読み解くキーワードは一言で言えば「政権の私物化」だろう。これに対して安倍首相は、話し始める前に1秒足らず目を瞑り、こう答えた。

 「政権の私物化はあってはならないことでありますし、私は政権を私物化したという気持ちはまったくありませんし、私物化もしておりません」

拡大記者会見で辞任表明し、質問に答える安倍晋三首相=2020年8月28日、首相官邸

 安倍首相が記者会見で本音をしゃべることはない。

 このタイプの会見者の場合、記者側は西日本新聞記者のような本質的な質問をズバリと聞かなければ意味がない。特に今回のような「辞任表明」が予告された重要な会見の場合、記者たちが最も本質的と考える質問をしなければ時間の無駄と言っても過言ではない。

 この日、会見に先立つ3時間前の午後2時、NHKや民放各社はほとんど一斉に「安倍首相、辞任表明へ」という速報を流した。安倍首相が辞任の意向を固めたという記事(『ポスト安倍は「麻生」か「菅」か/安倍vs二階の攻防激化』)を私が「論座」で公開した8月21日からほぼ1週間経過して、報告した記事内容が現実のものとなったわけだ。

 私が安倍首相の記者会見を受けてここに書き記すレポートも、いまだひとつの経過報告に過ぎない。しかし、この経過報告は非常に驚くべきもので、その内容を一言でまとめるとすれば、ズバリ「政権の私物化」である。これをお読みになる読者はさぞ憤ることだろう。

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筆者

佐藤章

佐藤章(さとう・あきら) ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長

ジャーナリスト学校主任研究員を最後に朝日新聞社を退職。朝日新聞社では、東京・大阪経済部、AERA編集部、週刊朝日編集部など。退職後、慶應義塾大学非常勤講師(ジャーナリズム専攻)、五月書房新社取締役・編集委員会委員長。著書に『ドキュメント金融破綻』(岩波書店)、『関西国際空港』(中公新書)、『ドストエフスキーの黙示録』(朝日新聞社)など多数。共著に『新聞と戦争』(朝日新聞社)、『圧倒的! リベラリズム宣言』(五月書房新社)など。

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