古賀茂明×野党若手政治家(1)
2020年08月31日
ことしの秋は、政治が大きく動きます。
安倍首相が辞任を表明し、自民党は9月に総裁選を行って、新しい総裁を選びます。
野党は、立憲民主党と国民民主党が合流し、「大きな塊」が誕生します。
合流新党の代表は野党の「首相候補」となります。同じく9月に代表選が行われ、立憲民主党の枝野代表が勝利するという見方が大勢です。
しかし、自民党総裁選の陰に隠れて、野党新党の誕生は、埋没する気配です。しかも、枝野氏が代表選に圧勝し、そのまま新党代表に横滑りするとしたら、盛り上がりを欠いて、野党の存在感はますます薄れていくでしょう。
野党の若手政治家たちは、こうした危機感を抱いているのか。危機感があるとしたら、この局面でどう動こうとしているのか。
政界でふだん、あまり目立たない野党の新世代の政治家にスポットを当て、彼らの肉声を動画で届ける緊急連載を企画しました。
政治の刷新には、野党の再建が欠かせません。
インタビューアーは、元経産官僚で政治経済評論家の古賀茂明さんです。インタビューは10分をめどとし、若手政治家たちに端的に明快に語ってもらいます。(論座編集部)
初回は、立憲民主党の落合貴之衆院議員です。
落合貴之(おちあい・たかゆき)
1979年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、三井住友銀行行員、衆議院議員江田憲司秘書などを経て、2014年衆議院議員初当選、現在2期目。衆議院経済産業委員会野党筆頭理事、党政調副会長、国対副委員長など歴任。
《動画のワンポイント解説》
落合さんは新党の課題として「格差是正」と「アフターコロナへの対応」の政策を打ち出すことが重要だと言います。とりわけ注目されるのが、「消費税中心から金融所得課税など格差是正を進める税制への転換」を主張していることです。
これは、民主党政権で要職を務め、消費税増税を進めた枝野氏ら野党重鎮への挑戦状と受け取れます。
そのうえで「民主党政権は失敗だった」と明言。75年前の戦争と同じように、失敗の責任を認めない人に政権を委ねることはできないと話し、「枝野世代」を強く牽制しています。そして、新党の代表選で若手が連携して対抗馬を擁立する意欲を示しています。
これに対し、古賀さんは、新党代表を選ぶ代表選に党員の参加は欠かせないと主張。9月の代表選はやむを得ないとしても、新党誕生後、1年以内に実施される衆院選までに、党員が参加する形の本格的な代表選を改めて実施し、野党の「首相候補」を選ぶよう提案。落合さんは9月の代表選で、そうした提案を訴えていく姿勢を示しました。
野党新党に参加する若手議員たちが、ただ意見を述べるにとどまらず、代表選という政治闘争の場でどのように連携し、主張を実現させていくのか。新党誕生と代表選のひとつの見どころです。(論座編集部)
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