古賀茂明(こが・しげあき) 元経産官僚
1980年通産省入省、産業再生機構執行役員、経済産業政策課長、内閣審議官などを歴任。公務員改革・電力改革で急進的な提言を公表、当時の民主党政権と対立し11年9月退官、報道ステーション出演中に番組で「I am not ABE」のフリップを掲げ安倍政権の報道弾圧を批判して降板、著書に『日本中枢の崩壊』『官僚の責任』など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
古賀茂明×野党若手政治家(2)
《動画のワンポイント解説》
野党新党の使命は? 小川さんはズバリ「批判野党」から「政権の受け皿政党」に転換することだと言います。
安倍政権は「政権を私物化」しました。これに対し、「公平でフェアな私利私欲のない政権を作る受け皿になりたい」と、小川さんは強調します。そのためにも「民主党政権の反省、挫折、失敗を引き取る覚悟をもって出発したい」と言うのです。
ならば、立憲民主党の枝野代表がすんなりと新党代表になるのを見過ごしていいのか、新世代の野党政治家たちは、党員投票を含む本格的な代表選の実施を求め、枝野代表に挑むべきはないか、小川さんはその先頭に立つ覚悟はないのか――古賀さんはそう迫ります。
ここで、小川さんは困ります。
ドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で描かれたのは、地元の衆院香川1区で自民党候補に敗れる小川さんの姿でした(比例復活当選)。小川さんは「私自身はまず選挙区当選が先決という気持ちはある。それをベースにしながら判断していきたい」と、慎重に言葉を選びました。
小選挙区で敗れた政治家は、野党の「首相候補」を選ぶ代表選に出馬できないのでしょうか。古賀さんは「もちろん小選挙区で勝つのは大事だし、自分に厳しいのは立派だが、『小選挙区で勝ってから』と言っている場合ではない。そのくらい日本は危ない」と奮起を促しました。
小川さんは最後に、代表選を通じて野党全体を活性化することが大事と応じたうえ、「自民党総裁選で誰が総理大臣になっても安保法制は見直されないし、モリカケサクラの公文書は出てこない。PCR検査の大幅拡大もおそらくはなされない。誰が総理になっても変わらない。だからこそ我々がしっかりしなければならない」と強調しました。(論座編集部)