[201]十三市民病院、NHKスペシャル、保坂展人・世田谷区長の会見……
2020年09月01日
7月29日(水) コロナの時代。国や行政や組織が、国民の移動の自由をとやかく言って制限する。いやな時代だ。
そんな中で僕らは大阪出張取材だ。大阪ではこのところ陽性患者数が増えてきている。13時前にはNディレクターらのチームと大阪新阪急ホテルのロビーで合流。今回の出張は、十三市民病院が、コロナウイルス感染症の中等症患者受け入れの専門病院として動き出している、というので、その取材をするのだ。中等症というのは、ざっくり言えば、酸素吸入を要する患者さんということ。重症化を防ぐ観点から、この中等症患者への対処がにわかに注目を集めているという。受け入れ病院では厳密なゾーニングが施されている。
まずは14時から大阪府庁で吉村知事の定例記者会見へ。コロナ対策で、記者の数やカメラ台数が制限されている。僕自身は吉村知事の記者会見に出るのは今回が初めてだが、まあ、よく喋る、喋る。通り一遍に中等症患者の受け入れ態勢について質問したが、知事は「大阪コロナ追跡システム」の普及促進のためということで、利用者(府民)が店舗や観光名所で、システムのQRコードをかざして読み込んだ場合、「大阪マイル」がたまり、一定数のマイルがたまれば抽選で特典をゲットできるのだという。知事はこの話で熱弁を奮っていた。つまりあちこちに出かけてください、ということか。
その後、十三市民病院へ。中等症の入院患者がまだ入っていない病床施設を院長に丁寧に案内していただいた。行政からの「病床を確保しろ」との要請に素直に応じたようだった。病院職員に感染させないように厳重な態勢がとられていた。
今日の大阪のコロナ陽性者が221人と過去最多が記録されたというので、御堂筋の繁華街で街録。その後、大阪市内で大事な案件の話で1泊。率直な実りある話。動き回り詰めで、ちょっと疲れた。
7月30日(木) 宿泊したホテルの朝食会場もコロナ対策でピリピリしていた。テレビ朝日労組が民放労連から脱退したという出来事が波紋を呼んでいる。いろいろな人がいろいろな場所でいろいろなことを言い始めている。
15時発の便で東京に戻る。その東京では今日、コロナ陽性者数が367人と過去最高を記録したとかで騒ぎになっている。数字で一喜一憂する状況以前に、検査数という根本的な問題があるはずなのだが。世田谷区の動き。地域自立主義(Municipalism)のモデルケースになるか。
琉球新報に書く大盛伸二さんへの追悼文の準備。チューリップテレビのドキュメンタリー映画『はりぼて』の日本記者クラブ報への紹介文。夕方、泳ぐ。
7月31日(金) 午前中、広尾。「クレスコ」の原稿。NYのジャーナリスト津山恵子さんからうかがったNYクイーンズでの学校給食の話がとても心に残っていたので、そのことを書くことにする。学校の授業が閉鎖になっていた時も、給食はやっていたという事実にショックを受けたので。つまり、学校という場が、地域の公共の場所なのだ。それが本来の姿ではなかったか。ホームレスの子どもを餓死させないためにって給食やってるのよ、との津山さんの言葉が強烈だった。
8月1日(土) 黒人公民権運動の推進者のひとりであったジョン・ルイス下院議員の葬儀。ブッシュ、クリントン、オバマといった歴代大統領らが参列したが、トランプは姿をみせなかったばかりか、議会の中に遺体が安置されていた時も全く無視していたとか。
「報道特集」のオンエア。前半は、コロナウイルス感染症の重症化を防ぐための中等症患者の受け入れ病院をめぐって。後半は、RKB毎日放送制作の「大気中のプラスチック汚染」。
オンエア後、大盛伸二さんの追悼文(琉球新報)を書くために、氏が撮影で参加した1988年のドキュメンタリー『遅すぎた聖断〜検証・沖縄戦への道〜』(RBC琉球放送制作)を久しぶりにみる。筋の通ったまっすぐな作品だと思う。なかでも旧日本軍第32軍の作戦参謀・八原博通の証言テープ(音声)が生々しい。88年の段階で紹介されていたのだとあらためて確認。昭和天皇のいわゆる「沖縄メッセージ」でしめ括っている点も、この作品を貫く視点の確かさを感じる。もう沖縄に行っても大盛さんに会えないな、という寂寞感の大きさよ。
8月2日(日) 午前中、頑張ってプールへ行きひたすら泳ぐ。
NHKの夜7時のニュースでガツンとやられた。これが今夜の「NHKスペシャル」の目玉なのか。
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください