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プーチン支配の本質は「強権」

習近平や安倍晋三との共通点は「カリスマの欠如」

塩原俊彦 高知大学准教授

不信な死を遂げたロシア人

 そこで、「表1 21世紀における形骸での殺害(未遂を含む)」をみてほしい。ここからわるように、チェチェンの独立のための武装闘争に参加した人物が何人も海外で殺害されてきた。最近でも、2019年8月に射殺されたゼリムハン・ハンゴシヴィリはジョージア人でありながら、チェチェン独立のために戦った軍人だった。

 ほかにも、ソ連国家保安委員会(KGB)やロシア連邦保安局(FSB)を裏切ったとみなされたアレクサンドル・リトヴィネンコのような人物は、国家管理のもとにある放射性物質であるポロニウムを使って殺害された。同じく、KGB・FSBからみると、「裏切者」にあたるセルゲイ・スクリパリとその娘は高純度の神経剤、ノビチョクによって毒殺対象になった。

 とくにリトヴィネンコ殺害については、

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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