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かつてないほど沖縄に厳しかった安倍政権。その四つの背景

新政権の発足で沖縄政策は変わるのか?

野添文彬 沖縄国際大学准教授

民主党政権との違いをアピール

 安倍政権の沖縄政策の背景には何があるのか。次の四点が指摘できるだろう。

 第一に、民主党政権との違いをアピールすることである。

 安倍首相が繰り返し使った「悪夢のような民主党政権」「日本を取り戻す」というキャッチフレーズは、いずれも民主党政権が日本の政治や経済を混乱させたとして批判するものだった。第2次安倍政権は、外交・安全保障政策や経済政策、また危機管理について、民主党政権と違うということを最大のアピールポイントとして政権運営を行ってきた。

 2009年に発足した民主党の鳩山由紀夫政権が、普天間飛行場の辺野古移設計画を「最低でも県外」へと見直すことを公約としながら、実現できずに国内外で批判されたことは、安倍政権にとって大きな反面教師であった。辺野古移設計画を一貫して推進することは、安倍政権が民主党政権とは違うことを示す象徴的な政策だった。

「敵をたたく」政治スタイル

 第二に、その政治手法である。

 第2次安倍政権は、「安倍一強」と呼ばれる強力な政治基盤を背景に、反対意見を許さず、内外において「敵をたたく」というスタイルをとってきた。このスタイルは、辺野古移設問題での沖縄県、特に「翁長県政」との対立において顕著であった。前述の「アメとムチ」の「ムチ」である。

 安倍政権は、政権の意向に逆らう沖縄県を「たたく」という姿勢を露骨に国内で示し、それは反対を抑え込むための「見せしめ」ともいうべきものであった。辺野古新基地建設反対を掲げて沖縄県知事に当選した翁長雄志氏に対し、安倍首相は4カ月もの間、会おうとしなかった。

拡大知事就任後、初めて安倍晋三首相(右)と会談した翁長雄志沖縄県知事=2015年4月17日、首相官邸

 この時の怒りを、翁長氏は後々まで語っている。

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筆者

野添文彬

野添文彬(のぞえ・ふみあき) 沖縄国際大学准教授

1984年滋賀県生まれ。一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。主要著書に、『沖縄返還後の日米安保ー米軍基地をめぐる相克』(吉川弘文館、2016年、沖縄研究奨励賞・日本防衛学会猪木正道研究奨励賞受賞)、『沖縄米軍基地全史』(吉川弘文館、2020年)、『沖縄と海兵隊ー沖縄駐留の史的展開』(共著、旬報社、2016年)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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