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石破茂氏はなぜ、あの時の小泉純一郎氏になれなかったのか~自民党総裁選

ブレのなさで総裁の座を獲た小泉氏。石破氏の失速を招いたものは……

曽我豪 朝日新聞編集委員(政治担当)

 今日は政局話を書く。

 政治家というもの、理詰めの演繹法では物事を考えない種族である。何が成功で、何が失敗か。体験や歴史にあたって、帰納法により現在進行形の政局の最適解を探ろうとする。

 「あの時とそっくりだ」「いや、ここが違う」と議論が白熱するのは、なにも時間つぶしで昔話に興じているわけではない。政治家が切迫した様子で歴史を語り始めたら、それは政局の号砲だと思うようにしている。

政治家たちの昔話の行き先は……

 今回もそうだった。コロナ禍対応の混乱により内閣支持率が長期政権下でかつてない低迷に沈み、安倍晋三首相の健康不安説が浮上するや否や、万が一の「首相退陣後」の政局を巡るいつものながらの「頭の体操」と同時に、政治家たちは盛んに昔話をし始めた。すぐにそれは一つの故事へと収斂(しゅうれん)して行った。

 急な退陣となれば来年秋に予定されていた自民党総裁選は前倒しになる。後継は、安定性があり各派閥が推す者にすべきか、改革性があり派閥政治にアンチテーゼを唱える者にすべきか。

 20年前に似た状況があった。従って今の政治家たちの帰納法による問題設定は、この一言に集約された。

 「石破茂はあの時の小泉純一郎になれるか?」

拡大自民党総裁選への立候補を表明する石破茂元幹事長=2020年9月1日午後4時30分、東京・永田町

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筆者

曽我豪

曽我豪(そが・たけし) 朝日新聞編集委員(政治担当)

1962年生まれ。三重県出身。1985年、東大法卒、朝日新聞入社。熊本支局、西部本社社会部を経て89年政治部。総理番、平河ク・梶山幹事長番、野党ク・民社党担当、文部、建設・国土、労働省など担当。94年、週刊朝日。 オウム事件、阪神大震災、など。テリー伊藤氏の架空政治小説を担当(後に「永田町風雲録」として出版)。97年、政治部 金融国会で「政策新人類」を造語。2000年、月刊誌「論座」副編集長。01年 政治部 小泉政権誕生に遭遇。05年、政治部デスク。07年、編集局編集委員(政治担当)。11年、政治部長。14年、編集委員(政治担当)。15年 東大客員教授

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