古賀茂明×野党若手政治家(5)
2020年09月04日
立憲民主党と国民民主党が合流する野党新党の代表選は、立憲の枝野幸男代表(56)と国民の泉健太政調会長(46)の一騎打ちとなる見通しです。
野党の若手政治家に奮起を促す古賀茂明さんの連続インタビュー、今回はその泉さんを直撃します。9月4日に代表選出馬を表明した直後に、オンラインでインタビューに応じてくれました。
泉さんは46歳。政治家としては「若手」と言えますが、当選回数は7回。次の首相になることが確実視されている菅官房長官が当選8回ですから、政治家歴としてはベテランの領域に入ったと言えます。
泉さんは京都で当選を重ねました。民主党の京都といえば、親分に前原誠司さん、その側近に福山哲郎さんがいました。そのもとで実力を蓄えてきました。
ところが、2017年総選挙で前原さんと福山さんが決別。福山さんは枝野さんとともに立憲民主党を旗揚げします。泉さんは前原さんとともに希望の党、国民民主党と移りますが、徐々に自立を進め、ついに国民民主党の政調会長となりました。
そういう意味で、民主党政権の中枢を担った「枝野・前原世代」の次世代政治家の代表格です。同世代では細野豪志さんや玉木雄一郎さんが早くから頭角を現しましたが、ここ数年の野党再編で大きな痛手を負いました。泉さんとしては、満を持して野党リーダーを目指す出番が回ってきたという思いではないでしょうか。
さて、泉さんがこの代表選を通じて「野党の新しい顔」に踊り出るのか。この動画をみて「品定め」していただければと思います。(論座編集部)
泉健太(いずみ・けんた)
1974年北海道生まれ。1998年立命館大学法学部卒。参議院議員秘書を経て、2000年、衆議院選挙に挑戦するも惜敗。2003年(29歳)に初当選を遂げ、以降7回連続当選。2009年、内閣府大臣政務官に就任し、少子化対策、男女共同参画、防災などを担当。現在は国民民主党の政務調査会長として党の政策の取りまとめを担う。家族は妻と子ども3人。趣味は料理、DIY、自転車、アウトドアなど。
《動画のワンポイント解説》
泉健太さんは国民民主党の政調会長として、合流新党の綱領策定にかかわってきました。「本来なら玉木代表が新党に合流し、代表選に出ることを想定していた」と言います。しかし、玉木さんが新党不参加を表明し、泉さんの出馬を求める声が高まりました。
泉さんは、これまで野党がバラバラだったため、野党内の主導権争いに無駄なエネルギーを費やしてきたと指摘し、野党合流の意義を訴えます。「提案型の文化を新党に根付かせたい。全国民から信頼され親しまれる野党第一党を作りたい」と笑顔で語る姿には、確かに「親しみやすさ」を感じます。
では、政権交代のリアリティーを増すには、何が必要か。泉さんは「安倍内閣の支持率が下がっても、野党の支持率が上がらなかったことが問題」とし、まずは野党に欠けているものを自己認識することが必要だと訴えます。それは、自民党に代わって政権の受け皿となる「政権構想」とそれを伝える「発信力」だと言うのです。
今回の代表選は国会議員しか参加できません。泉さんは「歴史を重ねる本格政党にしたい。その出だしは本来なら多くの国民や支援者に参加してもらうのが望ましい」指摘。「次の総選挙が終わった時点で本格的な代表選すべきだ」と強調しました。今回の代表選は世代交代に向けた第一ラウンドと位置づけているようです。(論座編集部)
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