古賀茂明×野党若手政治家(6)
2020年09月06日
野党合流新党の代表選は、立憲民主党の枝野幸男代表と、国民民主党の泉健太政調会長の一騎打ちとなる見通しです。そのなかで土壇場まで「第三の候補」擁立を訴えているのが、立憲民主党の山崎誠衆院議員です。
山崎さんは当選2回。熊谷組と日揮に勤務した後、民主党の公募で政界へ。横浜市議を経て衆院議員となりました。エネルギー政策に明るく経済産業委員会の委員として「経産省解体論」を唱えています。優等生タイプの多い立憲民主党では型破りの若手政治家といえるでしょう。
そして、立憲民主党に君臨する枝野代表への「注文」を率直に語るという意味でも稀少な若手かもしれません。
「第三の候補」擁立は「推薦人20人」という壁の前にかなり厳しい情勢です。それでも最後まで諦めない山崎さんの目に、この代表選はどう映っているのでしょうか。(論座編集部)
山崎誠(やまざき・まこと)
衆議院議員2期目、神奈川県第5区(横浜市戸塚区、泉区、瀬谷区)総支部長。政務調査会副会長。1962年生。都立西高校、上智大学法学部法律学科卒、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修士課程修了。大学卒業後、㈱熊谷組に入社し、日揮㈱に転職。民主党の候補者公募から政治の世界へ転身、2006年3月より横浜市会議員を2期。2009年8月の衆議院議員選挙に立候補、初当選。2017年10月の衆議院議員選挙にて、2期目当選。2018年9月、神奈川県第5区総支部長に就任。立憲民主党エネルギー調査会事務局長として、原発・化石燃料ゼロ、自然エネルギー100%を目指すエネルギー転換の実現に取り組む。趣味は自転車、トロンボーン演奏、絵画鑑賞、写真撮影、アウトドア。
《動画のワンポイント解説》
山崎誠さんが「第三の候補」として若手擁立を訴えているのは、なぜでしょう。
「新党の代表をどう選ぶのかはとても大事。自由にいろんな方が声をあげて議論を活発にすることは、新代表にとってもいいことだ」と考え、若手有志で政策提言をまとめ、これをベースに候補擁立を目指してきたといいます。
けれども現状は「なかなか20の推薦人が……やっぱり難しいですね。(枝野代表に)『受けて立つ』と言ってもらいたいのですが……」。枝野代表へのチャレンジャーは党内で応援を得にくいそうです。
野党はそんなに風通しが悪いのでしょうか。枝野代表に挑むと睨まれるのでしょうか。自民党のように報復されるのでしょうか。大丈夫かな、野党……。
「コロナ以前から日本は病んでいる。日本のピンチです。新代表にはそうした危機感を持ってほしい」と山崎さん。今の野党は「政権交代を意識して、『現状の継続がリアリティー』という空気を感じる。『実現可能性が低いから責任ある野党第一党としては言えない』みたいな感じがある」といいます。
山崎さんはそのような現状追認では日本再建は困難だと考えています。エネルギーにしろ、環境にしろ、社会保障にしろ、抜本的な改革を打ち出し、時間がかかるとしても粘り強く実行していくことが必要ではないか――持論の「経産省解体論」にはそんな思いを込めています。
野党代表選についても「ネット投票できればいい。民主主義を磨いていくために必要な話だ」と力を込めました。(論座編集部)
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