Dr.ナイフ(ドクター・ナイフ) @knife900
政治に関心がない人生を過ごしてきましたが、 安倍政権以降の政治劣化に疑問を持ち、2018年にTwitterを始めました。 左翼と言われますが(笑)、政治理念はなく支持政党もありません。 自分では無党派層に近い感覚でつぶやいています。本業は医療業界で研究開発、マーケティング、ITを専門に活動しています。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
なぜ安倍政権の評価は極端に二分されるのか?
次に安倍政権が行ったのは「生温かいマスマーケティング」です。
マスマーケティング(Mass marketing)とは、対象を特定せず、すべての消費者を対象にして、画一化された方法を用いて行うマーケティング戦略。
代表的なのが、お茶やビールを売るための手法です。 中身はたいして変わらないけど、なんとなく良く見せる方法。とりあえずお店や自販機で選んでもらうためのマーケティング。
マスマーケティングのポイントは「わかりやすいキャッチコピー」です。誰でも分かりやすいふわっとした言葉。
ビールのコマーシャルを思い出してください。「のどごし爽やか」とか「感動の泡立ち」、「出来たて生一番」みたいな。
安倍政権が次々と生み出したキャッチコピーを覚えていますか?
・1億総活躍社会
・すべての女性が輝く社会
・働き方改革
・全員野球内閣
・外交の安倍
だから何ですか? と思いますが、それが狙いです。よく分からないけど、なんとなく良い気もするし、とりあえず頭には残る。
積極的に、それを選ぶ材料にはならないけど、イメージとしては残る。
「具体的なことはよくわからないが、なんとなく支持する」
これが、安倍政権のマス市場に向けたブランド戦略です。
野党を批判する人は「野党は政策がない」などいいますが、安倍政権ほど具体的な政策が分からない政権もありません。安倍政権は国民に対して、何か政策を訴えているわけではありません。言うなれば、国民に向けて
のどごし爽やか! 感動の泡立ち!
と言っているようなものです。
それを受けた国民も、酒場で「のどごし爽やか」で覚えた銘柄のビールを飲みながら、同僚と政治の話になれば「安倍さんはよくやっている」「安倍さんは外交が得意」と話すのです。
もちろん、このような安易で欺瞞に満ちたマーケティングに引っかからない、本質を見抜ける国民も少数派ですがいます。彼ら彼女たちは、安倍政権のそういう欺瞞、狡猾さ、中身のなさを見抜き、自分が馬鹿にされたような気分になります。国家がそういう虚構の中で運営されていることに憤りを感じ、安倍政権を強烈に否定するようになります。
安倍政権の「ターゲティング」と「生温かいマスマーケティング」によって、有権者は見事に3つに分断されました。
・安倍さんしかいない(安倍信者)
・安倍さんはよくやっている、野党はだらしない(多くの無党派層)
・安倍政権は史上最悪、最低の政権だ(反安倍)
そして、この巧妙なマーケティング戦略には、おそらくメディアに大きな影響力、支配力を持つ広告代理店(社名は想像にお任せします)が力を貸していると想像します。
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