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新政権に望む~「権力維持の罠」にかかった政治から脱却を!

田中均 (株)日本総合研究所 国際戦略研究所 理事長/元外務審議官

権力維持の罠にかかってはならぬ

 短期的視野でしか行動できなかった最大の理由は、多くの政権が「権力維持の罠」にかかったからだ。

 民主党政権の誕生という政権交代の経験も、自民党に選挙で敗北することへの現実的な恐怖を抱かせ、選挙で勝つために国民の人気を意識した施策へ走らせた。日本が抱える基本問題に取り組むには、いずれも短期的には国民に犠牲を強いざるを得ないが、それを求める政治は棚上げされ、「権力維持」が目的化してしまった。

 新政権には権力維持を目的とするのではなく、日本が抱える問題を真正面から見て取り組むという迫力を見せてもらいたい。日本に今必要なのは、人気を得るため表面を取り繕うタイプの指導者ではなく、問題の本質を見て思い切った行動をとろうとするタイプの指導者なのだ。

 今日、永田町では一気にそのモードになりつつあると言われている「秋の総選挙」という考えに新政権が組みすることがないよう切に願う。未だコロナ禍が収まらない状況の中、安倍首相の辞任表明により自民党の支持率が上がったというだけの理由で選挙を打つというのは、まさに権力維持のための政治に他ならない。

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筆者

田中均

田中均(たなか・ひとし) (株)日本総合研究所 国際戦略研究所 理事長/元外務審議官

1969年京都大学法学部卒業後、外務省入省。オックスフォード大学修士課程修了。北米局審議官(96-98)、在サンフランシスコ日本国総領事(98-2000)、経済局長(00-01)、アジア大洋州局長(01-02)を経て、2002年より政務担当外務審議官を務め、2005年8月退官。同年9月より(公財)日本国際交流センターシニア・フェロー、2010年10月に(株)日本総合研究所 国際戦略研究所理事長に就任。2006年4月より2018年3月まで東大公共政策大学院客員教授。著書に『見えない戦争』(中公新書ラクレ、2019年11月10日刊行)、『日本外交の挑戦』(角川新書、2015年)、『プロフェショナルの交渉力』(講談社、2009年)、『外交の力』(日本経済新聞出版社、2009年)など。

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