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新型コロナ感染者の「噓」に懲役2年求刑、韓国の厳しさ

久しぶりに日韓を移動して感じたこと

伊東順子 フリーライター・翻訳業

「憂鬱から憤怒へ」 

 簡単に時系列で振り返ってみる。

5月2日、3日 連休。Aさんはソウルの梨泰院に遊びに行って、クラブや屋台などで飲食をした(ここでクラスター発生)

5月9日 Aさん、PCR検査陽性。その際、保健所の調査に「無職」と答えてしまう。また過去1週間のAさんの足取りに疑問をもった調査官が、警察にAさんの携帯電話の位置情報(GPS)照会を要請

5月12日 保健所がAさんの位置情報取得。それによりAさんが学習塾で授業をしていたこと等が明らかになった。保健所は直ちに接触者を特定して検査・隔離するが、時すでに遅し。学習塾等からの感染が多方面にも広がっていた。その数は80名、7次感染にまで及んでいた。もし、Aさんが9日の時点で正しい証言をしていれば、少なくとも3日間の感染拡大は防げたというのが検察の主張だ。

6月5日 Aさんはコロナ専用病棟で完治、退院。その後に他の病院に入院

7月6日 退院。数日後に警察に出頭

7月20日 逮捕

 記事には法廷での様子が書かれていた。

 「この日、白マスクに黄土色の囚人服姿で法廷に現れたAさんは緊張した様子だった。左腕に何か所かある赤い傷跡を見たキム判事が『手はどうした?』と尋ねると、Aさんの弁護人が『自傷行為だ』と述べた」

 新型コロナは完治したものの、事件後の激しいバッシングでAさんは自ら命を絶とうし、

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筆者

伊東順子

伊東順子(いとう・じゅんこ) フリーライター・翻訳業

愛知県豊橋市生まれ。1990年に渡韓。著書に『韓国 現地からの報告――セウォル号事件から文在寅政権まで』(ちくま新書)、『もう日本を気にしなくなった韓国人』(洋泉社新書y)、『ピビンバの国の女性たち』(講談社文庫)等。

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