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菅首相はいつ衆議院を解散するのか? 与野党の戦略と注目のポイント

衆院議員の任期満了まであと1年。新首相の胸のうちは……

大濱﨑卓真 選挙コンサルタント

 菅義偉内閣がスタートしました。衆院議員の任期までわずか1年での新内閣誕生ということもあり、永田町の関心は、新内閣の政策にもまして、新首相がいつ衆議院を解散して総選挙にうってでるかに集まっています。

 菅首相は「仕事をしたい」とコメントしているように、まずは内閣として実績を残したい考えを示しています。他方、この内閣で総選挙を迎えることは自明であり、選挙戦を意識した組閣という観点から見ると、新しい発見もあります。

 今回は、菅内閣における総選挙について整理するとともに、「ポスト安倍」の総選挙にのぞむ与党、合流新党が旗揚げするなど再編が進む野党が選挙にむけて抱える課題について論じたいと思います。

拡大会見する菅義偉新首相=2020年9月16日午後9時4分、首相官邸

菅内閣は「安全第一内閣」?

 菅内閣の閣僚発表のニュースを見ながら筆者が思い浮かべたネーミングは「安全第一内閣」でした。上川陽子法務大臣をはじめ4人が再登板、河野太郎行革大臣をはじめ3人がスライドと、実績と安定感のある人を起用。また、新入閣のうち、岸信夫防衛大臣は安倍晋三氏の実弟、野上浩太郎農水大臣は安倍政権で官房副長官をつとめるなど、堅実なキャリアのある人が目立ちます。

 マスメディアは「政策遂行のための最適人材登用」「安倍政権の継承」などと論評しましたが、筆者はそれに加えて、閣内から不祥事を出したくないという菅首相の強い意志の表れという風に捉えました。

 思い返すまでもなく、8年近く続いた第2次以降の安倍内閣では、閣僚や閣僚経験者の不祥事が後を絶ちませんでした。

 安倍前首相に直接関わる「森友」「加計」「桜を見る会」の問題はさておき、古くは小渕優子経産大臣(当時・大臣辞職)の違法献金問題、松島みどり法務大臣(当時・大臣辞職)のうちわ問題、甘利経済再生大臣(当時・大臣辞職)による口利き疑惑をはじめ、今村雅弘復興大臣(当時・大臣辞職)の失言、櫻田義孝五輪担当大臣(当時・大臣辞職)の不適切発言、菅原一秀経済産業大臣(当時・大臣辞職)の公選法違反疑惑、そして河井克行前法務大臣と妻案里参院議員の逮捕と、多くの不祥事がありました。

 政権はかわりましたが、森友問題における近畿財務局職員の自殺は依然、世間の注目を集め、河井夫妻の公判は進行中。ジャパンライフ問題では、同社の宣伝材料にも使われたとして加藤勝信厚労大臣(当時・現官房長官)の名前があがるなど、「安倍内閣の負の遺産」への対応が懸案になっているなか、これ以上新たな不祥事を出さないという決意が、今回の組閣人事にはしっかりと現れているように思います。

拡大記念撮影のためレッドカーペットが敷かれた階段を下りる菅義偉新首相(前列中央)と閣僚たち=2020年9月16日午後10時18分

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筆者

大濱﨑卓真

大濱﨑卓真(おおはまざき・たくま) 選挙コンサルタント

1988年生まれ。青山学院大学経営学部中退。2010年に選挙コンサルティングのジャッグジャパン株式会社を設立、現在代表取締役。衆参国政選挙や首長選挙をはじめ、日本全国の選挙に与野党問わず関わるほか、「選挙を科学する」をテーマとした選挙に関する研究も行う。

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