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デジタル庁に忍び寄るアマゾン~国家の機密情報や国民の個人情報は大丈夫か?

菅政権「デジタル改革」の罠(1)

佐藤章 ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長

 菅義偉氏が首相になって初めて本格的な仕事に乗り出した。9月23日午前10時過ぎ、首相官邸。地味な灰色の背広に議員バッジとブルーリボンバッジをつけて、ノーネクタイ姿でテレビカメラに向かった菅氏は、こう語った。

 「デジタル庁の創設は今までにないスピードで取り組む必要があります」

 私は一時期、菅氏と連絡を取り合いながら仕事を進めた経験があるためにわかるが、その語調には特別の気負いがなかった。

拡大「デジタル改革関係閣僚会議」の初会合で発言する菅義偉首相(左)。隣は平井卓也デジタル改革相=2020年9月23日、首相官邸

 閣僚全員が出席して、菅氏の左手側にはデジタル改革相の平井卓也氏が座った。個別の政策で全閣僚が集まる初めての会議となったデジタル改革関係閣僚会議。政権が掲げる最大の看板政策でありながら、初めての関係閣僚会議の冒頭に発言した菅首相に特別の気負いが見られないのはどういうわけだろうか。

 「官民問わず能力が高い人材が集まって社会全体のデジタル化をリードする組織にする必要があります。そのための検討を加速し年末には基本方針を定め、次の通常国会に必要な法案を提出したい」

 菅首相は気負いもなく、こう続けた。

 その言葉に気負いが感じられないのは、「社会全体のデジタル化」や「行政のデジタル化」について、自身の中で時間をかけて問題が練られてきたためだろう。

 しかし、この問題を最後まで練り上げれば、現在打ち出されている政策の方向性はおのずと違った方向に向かっていたのではないか。私にはそう思われる。

 菅政権が進めようとする日本の行政の「デジタル化」の方向と、それが招来する驚くほど深刻な未来図を3回に分けて報告しよう。

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筆者

佐藤章

佐藤章(さとう・あきら) ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長

ジャーナリスト学校主任研究員を最後に朝日新聞社を退職。朝日新聞社では、東京・大阪経済部、AERA編集部、週刊朝日編集部など。退職後、慶應義塾大学非常勤講師(ジャーナリズム専攻)、五月書房新社取締役・編集委員会委員長。著書に『ドキュメント金融破綻』(岩波書店)、『関西国際空港』(中公新書)、『ドストエフスキーの黙示録』(朝日新聞社)など多数。共著に『新聞と戦争』(朝日新聞社)、『圧倒的! リベラリズム宣言』(五月書房新社)など。

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