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高齢者を孤絶させるコロナ禍社会の悲劇

花田吉隆 元防衛大学校教授

スポーツクラブから姿を消した高齢者

 スポーツクラブは若者が筋力トレーニングにいそしむ所、というのは昔の話だ。遅い時間はそういう人も来るが、昼間や夕方の早い時間帯は比較的健康な高齢者が施設を占拠する。何せ他に行くところがない。体を動かし、病気にならないならこれほどいいことはない。朝からヨガ教室に太極拳、柔軟体操に気功と大忙しだ。スタジオのトレーナーの真ん前に陣取るのはいつも決まった高齢者の面々だ。今や、アクティブシニアという語もあるくらい高齢者は元気だ。

 その高齢者が、スポーツクラブから姿を消した。一時、スポーツクラブは感染の温床と言われた。狭いところに密集し、汗を流し、ハーハー息を吐く。これではいつ感染しても不思議でない。トレーニングが終わった後、サウナで汗を流し、仲間内と取り留めのない話をするのが楽しみだった。今はとんでもない。サウナは密室、狭い室内に大勢が座れば3密の代表だ。とてもこんなところに通うことはできない。

 かくてスポーツクラブ通いをやめてもう半年近くになる。生活が一変した。

 運動しない。あれほど熱心に通ったヨガ教室も太極拳教室もすっかりやめた。おかげで筋肉が硬直し血の巡りがすっかり悪くなった。

 人と話をしなくなった。家の中はいつも決まった話で終わる。サウナの中の腹を割った話が懐かしい。しかし、

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筆者

花田吉隆

花田吉隆(はなだ・よしたか) 元防衛大学校教授

在東ティモール特命全権大使、防衛大学校教授等を経て、早稲田大学非常勤講師。著書に「東ティモールの成功と国造りの課題」等。

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