[208]沖縄・那覇、小渕恵三元総理、雨宮処凛さんにインタビュー……
2020年10月03日
9月16日(水) 朝早い便で富山から東京に戻る。国会で午後一番に首班指名がある。これも結果がわかっているセレモニーである。ただちに組閣に入り、「呼び込み」を経て、菅新内閣が誕生する日だが、すでに閣僚の顔ぶれも報じられまくっていて、ある人に電話を入れたら「テレビはNHKも民放も、何でいちいち大臣が内定した程度でニュース速報するのよ、うんざりだわ」と叱られた。そりゃあそうだよな。何だか、今の日本って「事大主義」(goo辞書;自分の信念をもたず、支配的な勢力や風潮に迎合して自己保身を図ろうとする態度・考え方)に何とやられてしまっていることか。
14時から神保町で打ち合わせ。菅内閣の顔ぶれをみながら話し合う。
今週の「報道特集」は、新菅内閣のゆくえを点検するということで、今夜の最終便で沖縄へ。23時半にホテルにチェックインする。
9月17日(木) 12時半に東京からやって来たRディレクターのクルーと合流して、まずは国際通りをちょっと入ったところにある宮古そばの「どらえもん」に行って腹ごしらえをする。この店にはもう30年以上通っている。
14時30分から地元沖縄経済界の重鎮のひとり、金秀グループの呉屋守将会長にインタビュー。故・翁長雄志知事の盟友にして、オール沖縄の精神的な支柱でもあった人物だ。7年8カ月に及ぶ安倍政権の沖縄政策は、歴代政権のなかでも最も冷たい姿勢を続けてきた。今、呉屋会長は何を思うのかを直接聞いてみたかった。「粛々と進める」という言葉に象徴される菅官房長官の沖縄に対する冷徹な姿勢を語っていた。いくつもの具体的なエピソードをまじえながら。
その後、15時45分から琉球新報編集局長の松元剛さんにインタビュー。松元さんは現在の沖縄ジャーナリズムの良心と言ってもよい存在だ。揺るぎのない視座は、沖縄だけでなく日本全体のメディア状況のなかで貴重かつ具体的な道筋を提供してくれている。松元さんは、菅政権になって、沖縄にとっては今後ますます苦しい局面が来るだろうと。
その後、大慌てで、故・大盛伸二さんのご自宅にうかがい、数日遅れの四十九日のお線香をあげさせていただいた。位牌には「大盛伸二」とだけ書かれていた。
今日中に帰京しなければ、あした午前にと言われていた予定に間に合わないと思い、19時過ぎの便に飛び乗る。ところがどういうわけか、明日の予定がいつのまにか差し替えられていたことを搭乗直前に知る。まいった。そんなことならば、もう少し大盛家にとどまり、さらには会っておきたい知己たちが沖縄にはいた。もう1泊できたのに。不快な気持ちがこみあげてきたが、いつだってそういうことが起きてきた。キャスターのことを「演者さん」とか「出役」とかいう言葉で言い表し、要するに「猿回しの猿」のように使い得る対象だと思っているテレビ局の人間もいるのだ。まあ、いいや。いつだってそういうことが起きてきたし。
9月18日(金) 今月で番組をやめていくADさんとせめてもの送別のランチをとる。ADさんたちはそれなりの志を持ってきた人が多いけれど、テレビという組織はそれに応えるだけの内実を保持し得ているだろうか。これまでにたくさんのDやADさんの「卒業」を見送ってきた。その間、テレビ業界はすっかり変わってしまった。
磁気ネックレスなどの販売でマルチ商法を展開し、2017年に経営破たんしたジャパンライフの強制捜査。警視庁などが、顧客から多額の資金をだまし取ったとして詐欺の容疑で山口隆祥元会長、娘の山口ひろみ元社長ら計14人を逮捕した。どうしてこのタイミングなのか。ジャパンライフが、安倍首相(当時)主催の「桜を見る会」の招待状を顧客勧誘の宣伝材料に使っていたことはずっと以前に指摘されていたことではないか。政権が交代したからやりやすくなったということか。
警察という組織が、
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