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ああ、「すが・すが・しい」政権だね

学術会議を闇討ちした菅政権のスタートダッシュ

市川速水 朝日新聞編集委員

禅問答のような国会審議

問題1
「日本学術会議の会員任命は、学術会議が推薦した通りに首相が形式的な発令を行う」(1983年当時の政府見解)
「任命権者たる首相が学術会議推薦の通りに任命しなければならないわけではない」(2018年ごろの内閣府見解)
この二つの見解は、一貫していて矛盾しないという。その理屈を述べよ。
問題2
政権の「個別の人事」に疑念を抱いた野党の要求で国会審議が開かれた。「個別」の6人の名前も業績も明らかになっているのに、政権側は「個別の人事に関することでコメントは控える」と繰り返した。
政権側の答弁の意味と意図、国会の意義について述べよ。

 日本学術会議の会員候補6人が2020年秋、菅義偉首相から任命されなかった問題は、日々、国会や記者会見で、禅問答のような、難解な哲学論のようなやりとりが続いている。

 騒動の理由は単純なものだ。改選される会員105人の名簿を学術会議が提出したところ、99人は会員名簿に掲載されたが、6人だけが排除されていた。

 推薦通りに任命されなかったのは初めてだったので学術会議は仰天したが、政権は6人任命拒否の理由を一切開示せず、闇討ち人事の印象を与えた。

拡大官邸に入る菅義偉首相=2020年10月7日


筆者

市川速水

市川速水(いちかわ・はやみ) 朝日新聞編集委員

1960年生まれ。一橋大学法学部卒。東京社会部、香港返還(1997年)時の香港特派員。ソウル支局長時代は北朝鮮の核疑惑をめぐる6者協議を取材。中国総局長(北京)時代には習近平国家主席(当時副主席)と会見。2016年9月から現職。著書に「皇室報道」、対談集「朝日vs.産経 ソウル発」(いずれも朝日新聞社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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