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賛否拮抗 [大阪市廃止・特別区設置]の是非を問う再びの住民投票

仕組み・課題・情勢・見どころは

今井 一 ジャーナリスト・[国民投票/住民投票]情報室事務局長

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 投票用紙に書き込まれている内容が、前回と今回とでは異なる。

 (前回)「大阪市における特別区の設置についての投票」

 (今回)「大阪市を廃止し特別区を設置することについての投票」

 前回の記述では、大阪市を残したまま特別区を設置すると受け止めた人が少なからずいた。反対派の市議や学者らがこれに抗議し、今回は、そうした誤解を与えぬよう、選挙管理委員会の判断で「大阪市を廃止し」と明記した。

誰が投票できるのか

 この住民投票では、大都市法の規定により投票権者に関しては公職選挙法が準用されるため、日本国籍を有する18歳以上の大阪市民(約225万人)にのみ投票権がある。つまり、永住外国人は投票に参加できない。それについては、これまで、在日本大韓民国民団や市民グループ「みんなで住民投票!」などが松井一郎市長らに対してルール変更を求める声をあげているが、松井市長は「大都市法の規定に則って実施する」「参加しようと思えば、ぜひ日本国籍を取得してもらいたい」とかわしている。

 10月17日に韓国民団大阪本部で開催されたシンポジウムでは、「私たち外国籍住民に住民投票権を!」と訴えた拡大 10月17日に韓国民団大阪本部で開催されたシンポジウムでは、「私たち外国籍住民に住民投票権を!」と訴えた=筆者撮影

 橋下代表時代、維新の会は自公をはじめ各党に強力に働きかけて大都市法を制定させたが、永住外国人の投票参加を認める法改正を立法府に促す意思はないし、他党も改正を強く求める動きを見せていない。5年前の住民投票直後から民団などが市民グループと組んで日本国籍者を巻き込んでの大きなうねりを起こしていたら改正に漕ぎつけた可能性はあったと思うが、そこまでの動きにはなっていない。現在、大阪市には14万5800人余(143の国と地域)の外国籍住民が暮らしている。

 ちなみに、条例に基づく住民投票(427件以上実施)においては、永住外国人の投票を認めて実施した事例が米原町、岩国市、上九一色村、高石市など206件以上ある。また、高浜市、広島市、岸和田市、豊中市など50自治体が永住外国人の投票を認める実施必至型住民投票条例を制定している。([国民投票/住民投票]情報室の調べによる)

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筆者

今井 一

今井 一(いまい・はじめ) ジャーナリスト・[国民投票/住民投票]情報室事務局長

 1991年以降、ソ連、ロシア、スイス、フランス、イギリスなどで国民投票の取材を重ね、国内では新潟県巻町、名護市、徳島市など各地で実施された住民投票を精力的に取材。2006年~07年には、衆参各院の憲法調査特別委員会に参考人及び公述人として招致され、国民投票のあるべきルールについて陳述する。著書に『CZEŚĆ!(チェシチ)──うねるポーランドへ』(朝日新聞社)、『住民投票』(岩波書店)、『「憲法9条」国民投票』(集英社)、『国民投票の総て』、『住民投票の総て』(ともに[国民投票/住民投票]情報室)など。

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