金塚彩乃(かねづか・あやの) 弁護士・フランス共和国弁護士
弁護士(第二東京弁護士会)・フランス共和国弁護士(パリ弁護士会) 中学・高校をフランス・パリの現地校で過ごし、東京大学法学部卒業後、弁護士登録。再度、渡仏し、パリ第2大学法学部でビジネスローを学び、パリ弁護士会登録。日仏の資格を持つ数少ない弁護士として、フランスにかかわる企業法務全般及び訴訟案件を手掛ける。2013年より慶應義塾大学法科大学院でフランス公法(憲法)を教える。2013年、フランス国家功労賞シュバリエを叙勲。
自由が制約される場合の裁判所の役割について考える【1】
フランスでは、一日の新型のコロナ新規感染者の数が3万人を超えるなど、感染者増が止まらない。そのなか、マクロン大統領は10月14日、10月16日から1日にかけての深夜零時から緊急事態宣言を発令するとともに、午後9時から午前6時までの外出禁止令を1カ月間発令すると宣言した。7月11日に緊急事態宣言が解除され、夏休みも楽しめたフランスでまた、新たな自由の制約が生じると大きく批判されている。
3万人という数字を聞くと、納得する日本人は少なくないかもしれないが、この数字については相対化することも必要である。フランスではPCR検査数を飛躍的に増加し、現在1週間あたり140万件程度の検査を行っている。フランスの人口が日本の人口の約半分程度であることを考えると、日本だと一週間あたり300万件弱の検査が行われているに等しい。
検査は無料で、パリでは朝から検査を行っている場所に長蛇の列ができていた。空港でもPCR検査が義務付けられていない、たとえば日本からの入国者など向けに、希望者だけであるが、無料のPCR検査が受けられるようになっていた。下の写真1、2は、シャルルドゴール空港で荷物を引き取った後に出てすぐの場所に設けられているPCRの検査のためのカウンターである。
一方で、重症者の数も死者の数は、夏までに比べて大幅に減少している。
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