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トランプ再選の可能性は極めて低い

米大統領選挙の行方~最終的には法廷闘争も

登 誠一郎 社団法人 安保政策研究会理事、元内閣外政審議室長

今回の選挙は4年前とはどう違うのか

 内外の多くのメディアや評論家が用いているリアル・クリア・ポリティクス(RCP)社の平均値(米国の多くのメディアや団体の行っている世論調査の平均値)によると、支持率は、バイデン50.8%、トランプ42.7%(10月26日現在)で、その差は8.1ポイントである。

 この数字よりも重要なのは、それぞれの獲得選挙人の数であるが、確実あるいは大きく優勢と見られるのは、バイデン232(20州及びワシントンDC)、トランプ205(24州)とされている。この意味するところは、総数538のうち437(44州及びワシントンDC)はほぼ確定していて、接戦が繰り広げられているのは、以下の6州の101である。これらの6州においては、現在すべてバイデンがリードしている(1.2~7.8ポイント)。

フロリダ=29、ペンシルバニア=20、ミシガン=16、ノース・カロライナ=15、アリゾナ=11、ウィスコンシン=10

 しかし、前回2016年の選挙においては、直前の世論調査におけるヒラリー・クリントンのトランプに対するリード(アリゾナを除く)はそれ以上であったのに、6州すべてで敗れ、306対232と大差がついてしまった。特に、トランプ勝利の決め手となったペンシルバニア、ミシガン、ウィスコンシンの3州では、世論調査と実際の得票のギャップが9ポイント以上(30~50万票)もあった。

 内外の評論家の中には、この前例を挙げて、世論調査はトランプ票を過小評価する傾向があるので、今回もトランプの逆転勝利は可能性が十分あると議論する人も少なからずおり、ワシントンではこれをデジャ・ブ(Deja vu)、即ち「過去の再現」と称されている。果たしてそうなるのであろうか。

 私の分析では、今回の選挙は、4年前とはいくつかの重要な要素が異なるので、前回とは事情が大きく違い、トランプの逆転は困難と考える。

 その第一は、前回、誤った予測の原因となった世論調査の手法と解析について、各社とも名誉挽回とばかりに大きな改善が加えられていること、第二に、前回にはなかった民主党を有利にする現象がいくつか現れていることである。

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筆者

登 誠一郎

登 誠一郎(のぼる・せいいちろう) 社団法人 安保政策研究会理事、元内閣外政審議室長

兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、外務省入省(1965)、駐米公使(1990)、ロサンジェルス総領事(1994)、外務省中近東アフリカ局長(1996)、内閣外政審議室長(1998)、ジュネーブ軍縮大使(2000)、OECD大使(2002)を歴任後、2005年に退官。以後、インバウンド分野にて活動。日本政府観光局理事を経て、現在、日本コングレス・コンベンション・ビューロー副会長、安保政策研究会理事。外交問題および観光分野に関して、朝日新聞「私の視点」、毎日新聞「発言」その他複数のメディアに掲載された論評多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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