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2020年、日本学術会議事件が起きた

[210]日本学術会議総会、「報道特集」40周年、松元ヒロさん『ひとり立ち』……

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

学術会議は、もっときちんと怒って然るべき

10月2日(金) 朝、小菅の東京拘置所に取材に向かうがカラぶり。そのまま六本木の日本学術会議の会場へと向かう。

 第181回の日本学術会議総会。新会長に選任された梶田隆章東大宇宙線研究所長が、さっそく政府の人事介入問題、6人の推薦学者の任命外しの件で「要望書」を首相あてに提出する方針を議題にあげて承認を得た。さすがに今日はテレビ各社も取材に来ている。文科省記者クラブが担当のようだ。午前中の総会を終えて出てきた梶田新会長にぶら下がりの囲みインタビュー。

学術会議の総会後、取材に応じる梶田隆章新会長 20201002拡大日本学術会議の総会後、取材に応じる梶田隆章新会長(写真左は筆者)=2020年10月2日

 「要望書」は、任命除外理由の説明と、あらためて6人を任命するように「要望」する内容なのだ。遺憾の意を一応表明するという。弱い。もっときちんと怒って然るべきことだろう。それが「抗議文」とはならずに、なぜ「要望書」なのか。それが学術会議のある意味で現状を語っているのだろうか。戦前の日本では、政府の意にそわない学者や文化人を追放するという忌まわしい出来事が起きていた。天皇機関説事件とか滝川事件とか。

 夕方、国会図書館で内閣法制局の学術会議会員任命についての法解釈に関する文書をみつけたと小西洋之参議院議員から確認をとる。政府は学術会議の推薦者リストに「基づいて」形式的に任命するのであって、それを退ける余地はない趣旨が記されている。どうやらその後、2018年の11月に内閣府と内閣法制局との間で実質的な「解釈変更」が行われていたようだ。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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