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デジタル分野のデカップリングはどこまで可能か

すべてを自生化する必要はない、問題は自生化の範囲だ

塩原俊彦 高知大学准教授

TikTokやWeChatだけではない

 拙稿「中国の「ネット・ナショナリズム」にどう対抗すべきなのか」でも紹介したように、トランプ大統領は中国のTikTokやWeChatを目の敵にして、それらによる米国の企業や個人の情報データの違法取得を防止しようとしている。これ以前にも、2018年に商務省は虚偽の申告を理由にZTE(中興通訊)への輸出特恵の拒否を決めた。

 さらに商務省は、2019年、ファーウェイ(華為)への米国製チップの米企業による販売を禁止し、2020年5月には、内外の企業がファーウェイのカスタムメイド・プロセッサーを製造するために米国製チップ製造装置を利用することを禁止する規則を追加した。加えて、連邦通信委員会は同年6月、ファーウェイとZTEを国家安全保障上の脅威に指定した。

 他方で、できるだけ重要な部品は米国内で製造させようとする動きも

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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