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NHK辺境最深部からの魅力ある番組たち

[211]学術会議の大西隆元会長、官邸前の抗議集会、『東京リトルネロ』……

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

10月7日(水) 渋谷区の病院に、以前やってもらったPCR検査費の領収証を出し直してもらうために足を運ぶ。テレビ局の官僚的な会計システムに閉口しながら。

 「調査情報」最終号の連載「メディア論の彼方へ」のための最終原稿を書く。写真をどう使うか。以下の写真は入れたいなあ。「朝日ジャーナル」が回収になった時の赤瀬川原平の「アカイ アカイ アサヒ アサヒ」(『桜画報』)掲載号。拙著『ロシアより愛をこめて――モスクワ特派員滞在日誌1991−1994』(筑摩書房)。国澤利水氏よりいただいたハンス・ベルメールのエッチング―版画集『道徳小論』よりIX《恋の罪》(1968年)。「調査情報」休刊のきっかけとなった僕の書いた記事。楯の会1期生で元一水会の故・阿部勉氏。それに担当編集者で早逝した2人の写真も。

 日本学術会議の6名の任命拒否事件。複数ソースからさまざまな情報が入ってくる。大西隆元会長の過去の言動をめぐる怪情報や軍事研究との絡み。大西氏が会員選考の途中経過を官邸側(杉田和博官房副長官)に見せに行った経緯については、学術会議選考委員会のなかからも異論が出ていたという。

日本学術会議の元会長、大西隆・東京大名誉教授日本学術会議の元会長、大西隆・東京大名誉教授

 きのうの「報道ステーション」でのコメンテーターの発言が軍事研究のデュアル・ユースがどうのこうのと今回の人事介入とは無関係に言及して支離滅裂だったとのこと。朝日新聞夕刊の総理番記者の記事のお粗末な内容に呆れる。

学術会議の大西隆元会長の説明に弁明めいた部分も……

10月8日(木) きのう(現地7日)のアメリカ大統領選挙・副大統領のテレビ討論はそこそこ関心を呼んだようだ。民主党のカマーラ・ハリスは堂々と臆することなく、マイク・ペンス副大統領との討論に挑んでいた。コロナウイルス対策などで応酬が続いていた。バイデンが霞むほどだと思ったが、これでどうなるのだろうか。

 15時から日本学術会議の大西隆・元会長(豊橋技術科学大学前学長)にインタビュー。大西氏によると、会長在任中の過去の会員補充人事で、「官邸からの要望で」1つのポストに対して2名の候補者名簿を提出し、1番、2番という順位をつけろと言われ、そのように官邸に推薦リストを提出するようになったとのこと。その際、官邸側が「難色を示した」事実があったという。それで学術会議側としては途中で官邸側に「説明するプロセス」を入れた。

 その是非については選考委員会内部でもいろいろな意見が出た。ただ時間が切迫する中で、折り合いがつかず、結局、補充人事が行われなかった経緯があったのだという。それで定員の欠員が出た。

 大西氏の意見では、

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