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米大統領選の闇と中国民主化運動のヒーローの正体 怪物、郭文貴の謎/上

アメリカの選挙を泥沼に変えていくフェイクニュースの核心地帯には誰がいるのか

清義明 ルポライター

反中国共産党の海外在住中国人のヒーローに

 郭文貴はアメリカに事実上亡命状態である中国の富豪である。

 中国の高度成長の時代に裸一貫で成り上がった不動産業者として富をなした。彼の話を総合すると、この時代の中国で幅をきかせている、いわゆる政商のようなものだったらしい。ところが、彼が頼っていた政府高官が習近平による汚職一掃運動に巻き込まれて失脚した。郭はこれに連座させられそうになったのだろう。アメリカに2015年に事実上の亡命。その高官は収賄罪で無期懲役。さらには郭自身もこれに関する様々な嫌疑により、やはり収賄などの罪に問われて国際指名手配になった。

 郭はアメリカで優雅な暮らしを始めた。財産をどうやって海外に持ち出したかはわからない。ニューヨークの彼の自宅として知られていたマンションは、セントラルパークに面した超一等地。豪華絢爛で知られる「トランプタワー」のワンブロック先でもある。そのマンションの価格が

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筆者

清義明

清義明(せい・よしあき) ルポライター

1967年生まれ。株式会社オン・ザ・コーナー代表取締役CEO。著書『サッカーと愛国』(イースト・プレス)でミズノスポーツライター賞優秀賞、サッカー本大賞優秀作品受賞。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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