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「嵐コンサート事件」を報道しないジャーナリズムを問う

最先端の「コンテンツ産業としてのジャーナリズム論」

塩原俊彦 高知大学准教授

国立モスクワ大学ジャーナリズム学部の見方

 ジャーナリズムを国立大学で教えるという形態は社会主義時代のソ連でも、ソ連崩壊後のロシアでも変わっていない。ただ、社会主義イデオロギーを守るという使命が失われて以降、ロシアにおけるジャーナリズムの立脚点は微妙なものとなっている。

 国立モスクワ大学ジャーナリズム学部のエレーナ・ヴァルタノワ学部長の「メディアとジャーナリズムの最近の概念について」によると、自由主義の概念(言論の自由という概念)の信奉者にとっては、ジャーナリストは事実を正確に提供する義務を負っているのに対して、社会的責任の概念(ソ連の理論)の支持者にとってはジャーナリストの立場はプロフェッショナリズムを不可欠の条件としていると指摘している。

 やや曖昧な表現だが、要するに、前者は資本主義というイデオロギーのもとでのジャーナリズムの機能であり、後者は社会主義イデオロギーのもとでのジャーナリズムがそのイデオロギーを守ることを専門としてきた

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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