星浩(ほし・ひろし) 政治ジャーナリスト
1955年福島県生まれ。79年、東京大学卒、朝日新聞入社。85年から政治部。首相官邸、外務省、自民党などを担当。ワシントン特派員、政治部デスク、オピニオン編集長などを経て特別編集委員。 2004-06年、東京大学大学院特任教授。16年に朝日新聞を退社、TBS系「NEWS23」キャスターを務める。主な著書に『自民党と戦後』『テレビ政治』『官房長官 側近の政治学』など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
日米関係の真に深めるためには菅首相が理念や哲学を磨き上げ率直に語り合う必要がある
大接戦となった米国大統領選を民主党のジョー・バイデン氏が制し、2021年1月20日、第46代大統領に就任する。
この4年間、世界はドナルド・トランプ氏という異形の大統領に振り回された。バイデン次期大統領は、コロナ禍で大きな打撃を受けた国内を修復し、「米国第一主義」で混乱した外交を立て直すという難題に直面している。米国が大きく変容するなかで、バイデン政権に日本はどう向き合うべきかを考えてみたい。
菅義偉首相は11月12日、バイデン氏と初めて電話で会談した。日本側の説明によると、菅氏がバイデン氏に祝意を伝え、両首脳は日米同盟の重要性を確認。バイデン氏は、中国が領海侵入を繰り返している尖閣諸島について、日米安保条約の対象とする考えを表明したという。
米国としては、中国との対立をにらみながら、日本との連携を重視する姿勢を示したことになる。経済面での日米協力も進められていくだろう。
菅政権はそうした個別の懸案に取り組むが、同時にバイデン政権の誕生が示す米国の変容の意味をとらえる必要がある。