若者の政治参加を進めるために必要なのは「学校内民主主義」である
子どもではなく大人が変わらなければならない、これだけの理由
室橋祐貴 日本若者協議会代表理事
身近な社会である「学校」への参加
中でも、生徒にとってもっとも身近な社会である「学校」が現状、生徒の意見が反映される場になっていないのではないか。身近な社会でさえ、自分たちが変えていけないのに、より大きな地域や国を変えていけるとは到底思えないだろう。
教育哲学者の苫野一徳熊本大学大学院教育学研究科・教育学部准教授は著書『ほんとうの道徳』の中で「よく、若者は政治に興味がないとか、投票に行かないとか言われます。でもその責任は、実は多くの場合、学校にあるのではないかとわたしは思います。学校は変えられる、自分たちでつくっていける。そんな感覚を、多くの子どもたちは持てずに学校生活を送っているのではないでしょうか。そんな彼ら彼女らが、社会は変えられる、自分たちでつくっていけるなんて思えないのは、当然のことです。」と書いているが、今本当に変えなければならないのは、学校生活、学校運営のあり方である。
こうした考えをもとに、日本若者協議会では今年8月に「学校内民主主義を考える検討会議」を設置。生徒会長などを経験した高校生5名、大学生5名の計10名で「学校内民主主義」実現に向けた政策やガイドライン作成に
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