人はいろんな癖を持っている。その癖に気づいていても気づいていなくとも、その癖はその人の人生を何かしら物語っているのかもしれない。
私は、文化には「目に見える文化」と「目に見えない文化」があるという考え方を知った時から、物事の見方が180度くらい変わった。それ以降、人から何気なく発せられる「文化」という言葉を聞く度、「彼女が言っているのは、可視的文化のことだな」とか、「この場合は、目に見えない文化の事を問題にしているな」とか一人で考え分析するのが面白く、ほぼ癖になっている。
目に見えない文化とは、簡単に言うと、考え方や行動パターンのことだ。考え「方」や行動「パターン」は、その人の置かれた環境で、長い年月をかけて形成されてきたものであるから、その人個人の文化だと考えるのである。
こう考えると、人間一人ひとりに個々の文化(考え方・行動パターン)が存在することになり、当然、私と私の弟でも文化は異なるということになる。同じ親の元で育っても、私と弟を取り巻く人間関係などの環境は当然異なっていたわけで、従って当然異なる文化を形成してきたのである。
永田町文化、教師文化、学校文化、などという言葉を聞いたことがあると思う。永田町独特の行動パターンだったり(つまりそれは特有の考え方から派生しているのだが)、教師には教師特有の考え方や行動パターンがあったりすると言えば、目に見えない文化というものもピンと来るのではないだろうか。

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