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“菅流”「小政治」の強さと弱さ~危機の時代の指導者として適任か

コロナ感染症への対応、外交・安全保障、経済政策……「大政治」が必要な懸案が山積

星浩 政治ジャーナリスト

高齢者の医療費負担見直しで見えた「こだわり」

 一方で、財政・社会保障の分野では菅首相の「こだわり」が見えた場面もある。75歳以上の後期高齢者医療費の自己負担引き上げをめぐる判断である。現在は1割負担となっているのを2割に引き上げるが、所得制限をどう設定するかをめぐって、政府・自民党と公明党との折衝が進められた。

 年金所得が年170万円以上、対象者540万人とする政府・自民党に対し、公明党は240万円、対象者200万人とするよう主張。交渉が難航する中で、最終的には菅首相と山口那津男・公明党代表とのトップ会談が開かれ、200万円、370万人で決着した。

 この見直しによって、高齢者の自己負担は増えるが、現役世代の負担は880億円軽減されることになった。菅首相は「お年寄りには若干の負担増となるが、将来を見据えて若い人の負担を軽減しなければならない」と合意の意義を強調している。安倍政権では高齢者の医療費負担の大幅な見直しには踏み込めなかったが、菅政権では実現したという自負もあるという。

 菅流の調整政治が、世代間の受益と負担の見直しを進めたことは確かである。ただ、

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筆者

星浩

星浩(ほし・ひろし) 政治ジャーナリスト

1955年福島県生まれ。79年、東京大学卒、朝日新聞入社。85年から政治部。首相官邸、外務省、自民党などを担当。ワシントン特派員、政治部デスク、オピニオン編集長などを経て特別編集委員。 2004-06年、東京大学大学院特任教授。16年に朝日新聞を退社、TBS系「NEWS23」キャスターを務める。主な著書に『自民党と戦後』『テレビ政治』『官房長官 側近の政治学』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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