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限界ネトウヨと右翼ヘゲモニーの終焉

なぜ右翼の言論・運動が政治的に成功し、そしていま危機にあるのか

木下ちがや 政治学者

「限界ネトウヨ」の誕生

 最近の右翼言論についての話題の中心はいうまでもなく「アメリカ大統領選は不正選挙でありトランプは勝った」という陰謀論の席巻である(以下では「トランプ勝ち組陰謀論」とする)。社会学者鳥海不二夫の調査によると、日本の「トランプ勝ち組陰謀論」ツイートは、10万アカウントによる約58万ツイートの集団によってなされたという。そしてこの「トランプ支持層」のうち6割超が安倍晋三前総理を支持する「保守系アカウント」だったという(注1)

 10万アカウントだと日本のツイッターユーザーの1%にも満たないが、数十万フォロワーを持つ右翼言論人がこの陰謀論を扇動し、エコーチェンバー現象を引き起こすことでこのムーブメントは成立したのである。ただこのムーブメントに批判的な保守系アカウントも多数存在しており、この陰謀論に加担する言論人、アカウントは「限界ネトウヨ」と名付けられた。つまり「もう限界値を超えてしまい、後戻りできないところに行ってしまった残念な保守」と

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筆者

木下ちがや

木下ちがや(きのした・ちがや) 政治学者

1971年徳島県生まれ。一橋大学社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。現在、工学院大学非常勤講師、明治学院大学国際平和研究所研究員。著書に『「社会を変えよう」といわれたら」(大月書店)、『ポピュリズムと「民意」の政治学』(大月書店)、『国家と治安』(青土社)、訳書にD.グレーバー『デモクラシー・プロジェクト』(航思社)、N.チョムスキー『チョムスキーの「アナキズム論」』(明石書店)ほか。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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