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憲法53条・臨時国会召集裁判の意味

議会制民主主義を支えるもの

志田陽子 武蔵野美術大学 造形学部教授(憲法、芸術関連法)

 毎年1月には国会の「通常会」が開かれる。しかし今、国会には、4年間果たされず宿題となっている会期がある。2017年に憲法53条に基づいて要求された臨時会である。現在、この《行われなかった臨時会》をめぐる裁判が係争中である。

那覇地裁判決

 日本国憲法53条は「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と定めている。

 2017年6月、当時の衆議院議員120名、参議院議員70名、計190名の議員が内閣に、この日本国憲法53条の後段に基づいて臨時会の召集を要求した。内閣は約3カ月の間これに応じず、同年9月に臨時会を召集し、その冒頭で衆議院解散を宣言した。要求を行った議員たちが求めていたのは、森友・加計学園問題の経緯を明らかにすることだったが、この議事は行われなかった。

拡大野党4会派が欠席する中、召集された衆院本会議=2017年9月28日

 このことの違憲違法性を問う裁判が、沖縄・東京・岡山で提起され、係争中である。2020年6月10日の那覇地裁判決は、この中で最初に出された判決である(朝日新聞6月10日『国会召集「内閣に法的義務」 憲法53条めぐり初判決』参照)

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筆者

志田陽子

志田陽子(しだ・ようこ) 武蔵野美術大学 造形学部教授(憲法、芸術関連法)

武蔵野美術大学 造形学部教授(憲法、芸術関連法)。早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(法学・論文博士・早稲田大学)。「表現の自由」、文化的衝突をめぐる憲法問題を研究課題としている。また、音楽ライブ&トーク「歌でつなぐ憲法の話」など、映画、音楽、美術から憲法を考えるステージ活動を行っている。 主著『「表現の自由」の明日へ』(大月書店2018年)、『合格水準 教職のための憲法』(法律文化社2017年)、『表現者のための憲法入門』(武蔵野美術大学出版局2015年)、『あたらしい表現活動と法』(武蔵野美術大学出版局2018年)、『映画で学ぶ憲法』(編著)(法律文化社2014年)、『文化戦争と憲法理論』(法律文化社2006年、博士論文)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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