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日本共産党の政権参画に向けた課題を分析する/下

乗り越えなければならない最大の壁は政策よりも党の組織

田中信一郎 千葉商科大学基盤教育機構准教授

違憲なのは自衛隊そのものか、規模や装備か

 第二に、自衛隊については、党大会決議で憲法違反とする一方、綱領では憲法違反と明示せず、微妙な違いがある。党大会決議は「自衛隊は憲法9条に明確に違反」と示す一方、綱領には憲法違反との指摘はない。「自衛隊については、海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとる。安保条約廃棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意での憲法第9条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる」としている。論理的には、自衛隊を縮小しても自衛隊のままであり、大会決議での憲法違反との指摘と整合しない。

拡大安保法制衆院特別委でイラクに派遣された自衛隊が携行した武器について質問する志位委員長=2015年5月27日

 この点も、政権参画に際して、再整理の必要がある。野党ブロックの多数派である立憲民主党は、安倍政権の安保法制に反対し、安倍政権が提起した敵基地攻撃能力の保有に対しても批判的である。そのため、政権政党となった場合、軍縮の方向に舵を切る可能性は高い。一方、前述したとおり、規模や予算を縮小しても、自衛隊は自衛隊のままであり、共産党が与党となった場合、国務大臣や与党として自衛隊の存在と予算を認めるのか、問われる。

 再整理の論点は、自衛隊の規模や装備を違憲状態とするのか、それとも自衛隊の存在そのものを違憲とするのか、どちらかの選択になる。前者であれば、国政選挙の一票の格差と同様に、改善して違憲状態を脱することが求められ、政権参画と大きく矛盾しない。他方、後者であれば、縮小した自衛隊であっても違憲として認めることにならず、他党との連立は難し

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筆者

田中信一郎

田中信一郎(たなか・しんいちろう) 千葉商科大学基盤教育機構准教授

博士(政治学)。国会議員政策担当秘書、明治大学政治経済学部専任助手、横浜市地球温暖化対策事業本部政策調査役、内閣府行政刷新会議事務局上席政策調査員、内閣官房国家戦略室上席政策調査員、長野県企画振興部総合政策課・環境部環境エネルギー課企画幹、自然エネルギー財団特任研究員等を経て、現在に至る。著書に『政権交代が必要なのは、総理が嫌いだからじゃない』『信州はエネルギーシフトする』、共著に『国民のためのエネルギー原論』『再生可能エネルギー開発・運用にかかわる法規と実務ハンドブック』などがある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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