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国民の自画像としての安倍/菅政権(下)

「安倍的なるもの」に体現された国民の精神とは何か

白井聡 京都精華大学人文学部専任講師

安倍支持層はいかなる意味で安倍に依存できたのか

 では、安倍支持層の安倍依存にはいかなる背景・文脈があったのか。この8年の間、一部の人々は、信じられないほど馬鹿馬鹿しく、言葉にすることがためらわれる命題、すなわち「安倍首相は力強い政治によって日本国家を立て直し、日本人の誇りを取り戻させてくれた」といった命題を流布してきた。

 こうした命題、これ以上陳腐なものはあり得ないほど陳腐な妄想をどれほどの国民が意識的に信じたのか、あるいは信じようとしたのか、それを知る術はいまはない。このことは将来こぞって取り組まれる研究テーマとなるだろう。

 ただし、いま述べたように、青木理の指摘した安倍晋三の本質、「空疎と空虚」、そしてそれと不釣り合いに高いプライドという、常識的に見れば人としてかなり情けない状態を安倍自身が国民を代表して体現することによって肯定してくれた、という事実は指摘でき

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筆者

白井聡

白井聡(しらい・さとし) 京都精華大学人文学部専任講師

1977年生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士後期課程単位修得退学。博士(社会学)。専攻は政治学・社会思想。著書に『永続敗戦論――戦後日本の核心』(太田出版)、『未完のレーニン――〈力〉の思想を読む』(講談社選書メチエ)、『「物質」の蜂起をめざして――レーニン、〈力〉の思想』(作品社)『国体論――菊と星条旗』(集英社新書)。共訳書に、スラヴォイ・ジジェク『イラク――ユートピアへの葬送』(河出書房新社)、監訳書にモイシェ・ポストン『時間・労働・支配――マルクス理論の新地平』(筑摩書房)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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