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「移行期正義」という視角が教えてくれること

国際犯罪だけでなく、国内の政権移行時にも何らかの措置がとれないか

塩原俊彦 高知大学准教授

報告書「復讐と忘却の間で」

 最初に紹介したロシアの報告書「復讐と忘却の間で」は、2020年10月10日にニコライ・ボブリンスキーとスタニスラフ・ドミトリエフスキーが共同で公表したものだ。報告には、ロシアにおける犯罪が制度的に罰せられないことが引き起こす法的課題に関する研究結果を提示されており、「移行期正義」における不利益な結果に対処するための措置が提案されている。この報告書の内容のうち、興味深い点を紹介したい。

 報告では、「移行期正義」の目的について、つぎのように記述している。

拡大ソ連のゴルバチョフ大統領とロシア共和国のエリツィン大統領が、ソ連を消滅させ、独立国家共同体に移行することで合意し、クレムリンにはソ連邦国旗(左)とロシア共和国国旗が翻った= 1991年12月18日、モスクワ
 「移行期正義は、以前に処罰されなかった重大な人権侵害や当局が認めた法の支配に対するその他の重大な侵害に対して、効果的かつ合法的な対応を確保す
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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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