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解散・総選挙は今秋に決まりか~ コロナ禍の衆院選を各党はどう戦う

コロナ感染拡大で今年前半の解散は無理。前例のない状況での選挙戦を占う

大濱﨑卓真 選挙コンサルタント

 新型コロナウイルスに翻弄された2020年が終わり、2021年がはじまりました。新年早々、緊急事態宣言が発令されるなど、今年ものっけからコロナに振り回されています。これだけ先の見通しが立たない不安な年明けはあまり記憶にありません。

 そんな不透明な状況でも確実に言えることは、今年中に衆議院議員総選挙は必ずあるということです。任期満了を今年10月21日に控え、各党ともコロナ禍での選挙準備を進めています。

 ただ、昨年来のコロナ禍のもと、地元回りが十分できなかったり、定期的な会合を開けずに支持者と話をする機会が減ったり、選挙の様相は様変わりしています。また、政治資金パーティーもなかなか開けず、資金的に厳しい事情を抱える議員も少なくないと聞きます。そもそも感染症拡大という未曾有の状況の中で、衆議院の解散・総選挙はいつ行われ、どのような動きになるのか、大胆に予想してみようと思います。

拡大緊急事態宣言を出した後、記者会見をする菅義偉首相=2021年1月7日、首相官邸

自民党総裁選直前に衆院選?

 まず総選挙の時期ですが、これは秋にほぼ決まりだと思います。

 確かに、安倍晋三前首相は「選挙は不要不急にはあたらない」と述べ、昨年は幾つかの地方選が行われましたが、いずれも任期満了を理由とする選挙でした。一方、衆議院の解散・総選挙は総理の専権事項です。言い換えれば、解散という行為の責任は総理にのみあると言えます。その菅総理が記者会見で、選挙時期について「今年秋に」と発言したことなどや、別の民放番組で「一番大事なのはコロナの問題で、完全に拡大防止てきでないと(解散は)やるべきでない」と発言したことからも、永田町関係者は秋の選挙をほぼ確信しています。

 確かに、いま新型コロナの感染拡大がこれだけ急速に広がる状況からすれば、春先に総選挙を行えるまで感染が収束する可能性は低いでしょう。感染がいまだ収束しない中での解散は、政治空白を1カ月以上つくること、選挙戦で少なからぬ人流を生み出すことに世論が批判を強めることが容易に想像されることから、総理がこれを断行するハードルは、これまで以上に高いと言わざるを得ません。春の解散は見送るというのが妥当だと思います。

 春に見送った場合、いつになるかですが、夏は与党・公明党が重視する東京都議選があるのにくわえ、東京五輪・パラリンピックも開催される予定で、衆院選を解散して総選挙を行う時間的・物理的な余裕は、とうていありません。

 そうこうするうちに衆議院の任期が着々と迫り、結局、任期満了直前の秋に総選挙となる蓋然性が高いと思います。

拡大7maru/shutterstock.com


筆者

大濱﨑卓真

大濱﨑卓真(おおはまざき・たくま) 選挙コンサルタント

1988年生まれ。青山学院大学経営学部中退。2010年に選挙コンサルティングのジャッグジャパン株式会社を設立、現在代表取締役。衆参国政選挙や首長選挙をはじめ、日本全国の選挙に与野党問わず関わるほか、「選挙を科学する」をテーマとした選挙に関する研究も行う。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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