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「2021東京五輪」が危ぶまれるこれだけの理由~3月後半に最終判断か

コロナと五輪と政治【1】ワクチンは間に合う?世界中の国は参加できる?迫る時間……

大濱﨑卓真 選挙コンサルタント

 東京オリンピック・パラリンピック(東京五輪)の開催まで、あと半年となりました。2020年から続いているコロナ禍は「第3波」の真っ只中であり、史上初の延期となった今夏の開催さえ危ぶまれています。

 2021年に入り、IOCのディック・パウンド委員が「現在、1月初旬であることを考えると、開催には75%の確信しか持てない。ウイルスの感染拡大だけは、現状ではコントロール不能だからだ」(ANN)と開催に懐疑的な見方を示したほか、菅内閣の閣僚である河野太郎行政改革担当大臣が「(無観客の可能性を含めて)五輪に備えて最善を尽くす必要があるが、どちらに転ぶかは分からない」(ロイター)と発言するなど、雲行きも怪しくなってきました。

 そこで、東京五輪の開催是非を巡る議論や政治的利権、各国の思惑などを、「論座」で数回にわたって書いていきたいと思います。

拡大kovop58/shutterstock.com

順調とは言えない「ワクチン」の接種

 新型コロナウイルス感染症との戦いを終えるための唯一の武器は、「ワクチン」です。幾つかの国で始まったワクチンの接種が全世界に広がれば、感染拡大の防止や社会不安の収束に絶大な効果ができ、東京五輪開催には好材料でしょう。

 とはいえ、ワクチン接種は欧米の例を見ても、順調は言いがたい状況にあります。1月16日現在、世界中でワクチンの接種を受けた人はまだ3579万人です(Our World in Data ※ワクチン接種回数で計算しており、複数回接種の場合を考慮していないので接種を受けた人の実数はより少ない可能性がある )。

 アメリカは2020年中に2000万人のワクチン接種を目標に掲げていましたが、実際には280万人の接種止まり、21年1月16日現在でも1228万人という状況です。バイデン新大統領は、就任後100日以内(計算上は2021年4月末まで)に1億人の接種を目指すとしていますが、一部の州では「コールドチェーン」と呼ばれる超冷凍状態でのワクチンの運搬物流が滞っており、またワクチン接種をする医療的人員が不足するなどの問題も起きているなど、前途多難な状況です。


筆者

大濱﨑卓真

大濱﨑卓真(おおはまざき・たくま) 選挙コンサルタント

1988年生まれ。青山学院大学経営学部中退。2010年に選挙コンサルティングのジャッグジャパン株式会社を設立、現在代表取締役。衆参国政選挙や首長選挙をはじめ、日本全国の選挙に与野党問わず関わるほか、「選挙を科学する」をテーマとした選挙に関する研究も行う。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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