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支持率続落の菅義偉首相の反転攻勢は可能か?~波乱の通常国会開会 

内閣支持が高かった若年層や与党支持層でも「菅離れ」。首相がやるべきことは……

田中秀征 元経企庁長官 福山大学客員教授

 波乱が必至と言われる通常国会が召集され、1月19日、菅義偉首相が就任以来、初めての施政方針演説を行った。

 昨年10月の臨時国会で行われた所信表明演説と比べると新味には乏しいが、政権への逆風を意識してか高飛車な口調は影をひそめていた。新型コロナウイルスの感染拡大に対しては、「一日も早く収束させる」ために「この闘いの最前線に立ち、難局を乗り越えていく」と述べ、克服への強い決意を示した。

 全体として、野党などに揚げ足をとられないように手を尽くした印象だが、ワクチンに関して「2月下旬までには接種開始」と述べ、夏に予定される東京五輪・パラリンピックについても開催への意欲をあらためて示すなど、「ワクチン頼み」「オリンピック頼み」の姿勢も垣間見えた。

 今まで首相は「ポスト・コロナ」の生活や経済に対して、過剰に「希望」や「夢」を煽っている印象を与え、それに対する反発が多かった。今回の演説では、本人としては最小限にとどめたつもりなのだろうが、それでも「演説の大半はコロナ対策に割いてほしかった」という声が多く聞こえてくる。菅政権を取り巻く現在の厳しい環境は、今回の施政方針演説で転換できるほど生易しいものではないのだろう。

拡大通常国会が開会、衆院本会議で施政方針演説をする菅義偉首相=2021年1月18日

支持率低下の流れは止まらず

 実際のところ、菅政権の支持率急落の流れは止まっていない。1月15日に発表された時事通信の世論調査によると、菅政権の支持率は34.2%で、前月から8.9ポイント下落、不支持率は39.7%で、前月より13.1ポイント上昇した。調査員による個別面接方式で実施される時事通信の世論調査は安定性に定評があるだけだけに、不支持が支持を初めて上回ったこの結果は衝撃的であった。

 同月18日に発表された読売新聞の世論調査も、結果はほぼ同様。内閣支持率39%、不支持率49%と、こちらも支持と不支持が初めて逆転した。目につくのは不支持率が50%に迫っている点だ。これが50%を超えたら、政権運営に「赤信号」がともるが、このままでは時間の問題だろう。支持率と不支持率の合計が88%に達しているのも特徴的だ。これは、菅政権への世論が不支持基調で固まりつつあると見なすべきだろう。

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筆者

田中秀征

田中秀征(たなか・しゅうせい) 元経企庁長官 福山大学客員教授

1940年生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒。83年衆院選で自民党から当選。93年6月、自民党を離党し新党さきがけを結成、代表代行に。細川護熙政権で首相特別補佐、橋本龍太郎内閣で経企庁長官などを歴任。著書に『平成史への証言 政治はなぜ劣化したのか』(朝日選書)https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20286、『自民党本流と保守本流――保守二党ふたたび』(講談社)、『保守再生の好機』(ロッキング・オン)ほか多数。

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