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「言論の自由」という幻想:いま米国で起きていることに寄せて/下

「不自由」であると感じるところから議論をスタートしなければならない

塩原俊彦 高知大学准教授

「言論の自由」があると考えている人々の能天気さ

 最初に紹介したブージュは記事のなかで、「ソ連では台所でしか笑えなかったのが、欧州ではそこでも笑えなくなってしまった」という話を書いている。テロ攻撃や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への防衛を名目に、欧州でも人々は不自由を強いられている。しかし、それに気づいていないと言いたいのである。

 もっとも怖いのは、言論の不自由に気づかないために、その不自由に抵抗したり対抗したりしないままどんどん不自由になってしまう事態である。たとえば、いま、世界中の言論の自由が急激に制限されつつあることに気づいている人はどれだけいるだろうか。テレビに出てくる感染症の「専門家」なる人物はそもそも怪しい。かつ、彼らが自分の考えをそのままテレビでのべているかどうかも疑わしい。

 ここで重大なのは、「だれが正しくてだれが間違っているか」ではない。大切なのは、「だれが発言権をもっているか」だ。テレビでの発言権はだれによって担保されているかまで考えなければ、テレビでの発言の不自由さには気づけない

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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