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【8】労働生産性が低いと何が問題なのか

GDPが頭打ちに、福祉水準や治安の悪化も

塩原俊彦 高知大学准教授

購買力平価(PPP)の問題点

 PPPのもっともわかりやすい例は、世界中に支店をもつマクドナルドの「ビッグマック」の値段からPPPを算出する方法だ。

 量や質がほぼ同じモノであれば、同じ価格になるはずだという「一物一価」を原則のうえにたって、世界中でほぼ同じビッグマックが販売されているとみなせば、その現地販売価格同士を比較できるのではないかというのが「ビッグマック指数」の基本的な発想である。本当は、各国のビッグマックのカロリーには違いがあるし、何よりも付加価値税や消費税による差もある。それでも、ビッグマックをつくるのに各国で必要となる人件費や原材料費、輸送費などの違いを反映した結果としてビッグマックの値段が決められているとみなすことが可能なので、各国のビッグマックの現地価格だけをPPPとみなすのである。

拡大Ralf Liebhold / Shutterstock.com

 ビッグマック指数は1986年からThe Economistによって毎年公表されている。2020年7月15日付のビッグマック指数をもとに具体的な算出方法を説明してみ

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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