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ウォールストリートで起きている「デブ猫」退治

「ゲームストップ騒動」を読み解く

塩原俊彦 高知大学准教授

空売りでもうけるヘッジファンド

 こうした「デブ猫」の代表格で、年初に125億ドルを運用していたヘッジファンド、メルヴィン・キャピタル・マネジメントは、今回の出来事で大打撃を受ける。

 同社は前述したゲームストップ株に空売りをかけ、過去1年間にわたってショートポジション(保有しない株を借りて、売り建てている状態)を積み上げてきていた。これが意味するのは、ゲーム機などの販売がストリーミングサービスの広がりで不振となり、業績が悪化していたゲームストップ株がさらに下落することを見越して、同株価が下がれば下がるほど安値で買い戻せるので、借りた株価とその安値との差額が利益になる、ということだ。ゆえに、「デブ猫」はどんどん空売りをして価格の下落を促す。まさに「他人の不幸に乗ずる」のである。

 これに「不条理」を感じ取ったのが「ハムスター」たちだ。他人の不幸をもてあそぶどころか、喜ぶ連中に鉄槌を下す必要があるとして、株価を引き上げることで「デブ猫」と対決することにしたのである。そのために利用したのがオンライン取引アプリ、ロビンフッドで

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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