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「プーチン宮殿」だけではないプーチンの正体

「マグニツキー事件」はじめ複数の変死、殺害事件の黒幕か

塩原俊彦 高知大学准教授

マグニツキー事件とは何か

 こんなプーチンだが、本当は、彼は大いに腐敗している。それに、複数の殺害を命じてきたと推測されている。彼の腐敗ぶりについては、紹介した拙著『プーチン2.0』に詳しいので、そちらを参考にしてほしい。拙稿「プーチン支配の本質は「強権」」のなかで、「表1 21世紀における海外での殺害(未遂を含む)」という表を掲載済みだ。

 ここでは、プーチン自身が殺害を命令したわけではないかもしれないが、彼を守ることを仕事にしている治安機関の職員がいかに腐敗してきたかについて紹介したい。それは、ロシア税務当局の巨額の不正行為を追及したマグニツキー弁護士が拘置所で死亡した「マグニツキー事件」についてである。

 この事件に関連して、米国ではマグニツキー法が制定されただけでなく、EUでも同種の法律が生まれている。これらの法律は、人権侵害を行った個人や団体を対象にビザ規制や資産凍結をするものだ。日本でも、2021年1月になって、ようやく自民党の中谷元・元防衛相らが人権侵害にかかわった外国の人物や団体に制裁を科す「日本版マグニツキー法(特定人権侵害制裁法)」制定に向け、超党派の議員連盟を発足させると発表し

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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