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森喜朗さん、よくぞ言った 男の本音に非難続々で「男的世界」は変えられるか

男も女もしばるジェンダーバイアスから自由になる時代に

円より子 元参議院議員、女性のための政治スクール校長

森さんと私との縁

 こんな森さんですが、私とは縁もあります。

 国会議員だった時、母子家庭の母親と子どもたちが困窮しているのをなんとかしたい、母親の就労支援ができないかと、議員立法に奔走したことがありました。まだ、子どもの貧困は話題になっておらず、子ども食堂もなかった頃です。

 国会議員の中には、勝手に離婚しておいて、そんな母子家庭に支援などいらないと思っている人がいて、思っているだけでなく、言葉に出す人もいました。そういう人が、議員立法の成否を握る地位にいて、あと何日かで国会の会期が終わり、廃案になってしまうという時、私は森さんに会いに行ったんです。

 森さんは、離婚せざるを得ない女性たちの状況、女性が自立して食べていくのが厳しいこの日本の状況に耳を傾け、就労支援の必要性に理解を示してくれました。なにより、母親が大変だと子どもたちに影響を及ぼすことを案じていました。反対している議員とかけあい、数日後、法案は無事、国会を通過しました。

 森さんを庇(かば)うつもりはありません。ただ、ジェンダーバイアスをなくしたいと言い続け、こういう連載もしている身ではありますが、ジェンダー平等に反するような発言といえども、それを封じ込める風潮に、私は抵抗を覚えます。「モノ言えば唇寒し」の状況になることのほうが怖い。

権力者のジェンダー意識の希薄さが見えて……

 さて、森さんはJOCの臨時評議会で、組織委員会の女性について「みんなわきまえておられて」とも発言したそうで、これまた問題になっています。

 「わきまえる」というのは、まわりに忖度して、あまり自己主張しないという意味にもなる。公平性を重視して、ルールを守り、周りの人と協調するのが、「わきまえた人」の取る行動だとは思いますが、大事なことを決める会議で議論しなきゃいけない時、おとなしく何も発言しないのはいいとは思えません。しかし、ものを決めている人からすれば、なんであれ反論する人は「わきまえない人」と思われてしまうのでしょうか。

 私もまた、わきまえない女性と思われていたのでしょう。

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筆者

円より子

円より子(まどか・よりこ) 元参議院議員、女性のための政治スクール校長

ジャパンタイムズ編集局勤務後、フリージャ―ナリスト、評論家として著書40冊、テレビ・講演で活躍後、1992年日本新党結党に参加。党則にクオータ制採用。「女性のための政治スクール」設立。現在までに100人近い議員を誕生させている。1993年から2010年まで参議院議員。民主党副代表、財政金融委員長等を歴任。盗聴法強行採決時には史上初3時間のフィリバスターを本会議場で行なった。

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