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中国軍艦レーダー照射で控えた官邸への「速報」 局長になってまた大事件 

連載・失敗だらけの役人人生⑤ 元防衛事務次官・黒江哲郎が語る教訓

黒江哲郎 元防衛事務次官

ほろ苦の国会中継デビュー

 中国に抗議したところまでは良かったのですが、なぜ発生から大臣・総理への報告まで6日もかかったのか、という点がマスコミや国会で追及されることとなってしまいました。確証がつかめるまで大臣や総理への報告を待つように指示したのは局長の私なので、私自身が衆参両議院の予算委員会で追及されることとなりました。運の悪いことに、これらの委員会は両方とも総理出席でNHKが中継することとなっていたため、私が失態を追及される場面はテレビを通じて全国に流されてしまいました。

 事柄の重大性にかんがみれば、詳細は後日改めて報告することとしても、とにかく第一報だけは大臣・総理の耳に入れておくべきだった、というのが追及のポイントでした。その点は野党の追及・指摘の通りで全く弁解の余地はなく、私の予算委員会デビュー戦、テレビ中継デビュー戦はまことに意気上がらないものとなりました。衆議院の審議では、質問に立った野党議員が大臣や総理に対して「(担当局長である私を)叱らないといけない事案だ」と追及しました。

 この質問に総理(安倍晋三氏=編集部注)が「事務方の気持ちはわかるわけでありますが、…(中略)…確認は別として、まだ未確認ということで今後は私のところに、もちろん防衛大臣のところに上がってくるようにいたします」という優しい答弁をして下さったのがせめてもの救いでした。

拡大2013年に衆院予算委員会で答弁する安倍首相

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筆者

黒江哲郎

黒江哲郎(くろえ・てつろう) 元防衛事務次官

1958年山形県生まれ。東京大学法学部卒。81年防衛庁に文官の「背広組」として入り、省昇格後に運用企画局長や官房長、防衛政策局長など要職を歴任して2017年退官。現在は三井住友海上火災保険顧問

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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