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オリンピック招致委と組織委の闇

森喜朗は説明責任を果たせ

塩原俊彦 高知大学准教授

 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長がすったもんだの挙句、辞めることなった。しかし、忘れてならないことは、東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会における不正問題であり、この問題に森がかかわっていた可能性があることだ。

招致委と組織委の「黒い関係」

拡大東京五輪組織委員会が発足し、記者会見後のフォトセッションに応じる武藤敏郎東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会事務総長、森喜朗同会長、竹田恒和JOC会長、下村博文文科相ら(肩書は当時)=2014年1月24日、東京都庁

 まず、2020年3月31日付のロイター通信を紹介したい。招致委と組織委との間の「黒い関係」を伝えているからだ。「東京五輪招致で組織委理事に約9億円、汚職疑惑の人物にロビー活動も」という記事を配信したのである。そのなかで気になる記述をいくつか紹介してみよう(引用中の年齢は掲載配信当時)。

 「ロイターが入手した「東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会」(招致委)の銀行口座の取引明細証明書には、招致活動の推進やそのための協力依頼に費やした資金の取引が3000件以上記載されており、多くの人々や企業が資金を受け取り、東京招致の実現に奔走した経緯をうかがわせている。
 
 そうした支払いの中で最も多額の資金を受け取っていたのは、電通の元専務で、現在は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(組織委)の理事を務める高橋治之氏(75)だ。招致委の口座記録によると、高橋氏にはおよそ8.9億円が払われている。」

 その一方で、ロイター電では、「森元首相の団体にも資金」という見出しのもとに、つぎのような記述がある。

 「ロイターの取材により、招致委員会は森喜朗元首相が代表理事・会長を務める非営利団体、「一般財団法人嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター」にも約1億4500万円を支払っていることが明らかになった。
 
 招致委が高橋氏、および組織委会長でスポーツ界に強い影響力を持つ森氏の団体に行った資金の支払いは、ロイターが確認した同委のみずほ銀行の口座記録に記載されている。この銀行口座の記録は日本の検察がフランス側に提供した。仏検察の捜査関係者によると、高橋氏や森氏の団体に対する支払いについては、これまで聴取を行っていない。」

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

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