話題のクラブハウスを“国際政治学者”の私が使って見えてきたこと
音声SNSにこれまでのSNSにはないの可能性はあるのか?
加藤博章 関西学院大学国際学部兼任講師
聞いて、しゃべって、ルームを開いて……
前置きが長くなりました。いよいよ本論です。
さて、私がクラブハウスを始めた当初(1月28日)、クラブハウスで知り合った人以外はほとんどいませんでした。知っているのは、招待していただいた方と1人か2人……、う~ん、3人くらいですかね。
使い方は他の記事で説明されているので割愛します。僕のクラブハウスにおける流れを振り返ると、初日(ただ聞いてみる)、2日目(とりあえずしゃべってみる)、3日目(自分でルームを開いてみる)でした。
私が登録した1月下旬は、まだ登録者数が少なく、メディア系とか、意識高い系の方々が多いです。クラブハウスは招待制なので、なかなか知り合い以外の方には広めづらい。そのため、同じ思想信条、そこまで難しい話でなくても、同じような業種や価値観の方々で固まっています。
クラブハウスはルームを開いて、そこに参加者が集まるのですが、ルーム自体も仲間で固まっている印象です。10人くらいがしゃべっているのを、100人くらいが聞くようなルームもあれば、インフルエンサーの方の話をただ聞くというルームもあります。
規約で全部オフレコ、メモ取るのも禁止となっています。それもあって、ぶっちゃけトークを聞けます。そういう内輪話を聞いているのは楽しいのですが、なんとなく疎外感も感じます。
ただ聞いていても、つまんないなあと思ったので、しゃべってみました。しかし、私が登録した1月下旬は、分野が分散しておらず、国際系、外交系のルームがほとんどありませんでした。そこで、最後は自分でルームを作ってみました。
モデレーター、僕一人で作ってみたんですが、まあ人は来ません。正直退屈です。一人語りと言っても、限界があります。ただ呟いているのも変な人みたいなので、たまに黙ったりしながら、誰か来るのをひたすら待ちます。
あまりにも人が来なくて、段々腹が立ってきたんで、意地でも誰か捕まえてやろうと、ルームのタイトルをキャッチ―なものに変えてみたり、説明文を付けたりと工夫をしてみたりしました。
まるで居酒屋の雑談のよう
たまたま知り合いの方がふらっと立ち寄ってくれましたので、ようやくおしゃべりが出来ました。
実はその知り合いの方というのも、ネット上で知り合った方なので、実質的には初のおしゃべりです。向こうは知らないけど、こちらは知ってるという間柄です。知り合いなのかというと、難しいところですが……。
いったんおしゃべりが始まれば、入れ代わり立ち代わり誰かが入ってくるようになりました。入って来てくれた方は、最初の知り合い以外(含めて?)、全員初対面です。入ってくるのはルームにいる方の知り合いや、興味を持って入ってきた方です。とりあえず、誰かが入ってきたら、何の仕事か聞いてみて、そこから掘り下げ、みんなで何か質問、また新しい人が来て、を繰り返しました。まるで居酒屋の雑談ですね。

クラブハウスのダウンロード画面(iPadからキャプチャー)