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SNSが変えたミャンマー・クーデターへの抗議の民衆蜂起

時代のクリエイティブな抗議スタイルはどんな結末をもたらすのか

海野麻実 記者、映像ディレクター

あっという間に拡散する警察官のデモ参加

 医療関係者や警察官、政府職員がデモ抗議に参加する様子も次々にSNSにアップされている。警察官ら数十人が制服姿で、「我々は市民の警察官だ」と書かれた横断幕を掲げて行進する映像や、デモ抗議に参加する市民が向けたスマートフォンのカメラに向けて、独裁への不服従を示す3本指を立てるポーズをこっそりと見せる警察官の写真などが、瞬く間にFacebookを中心としたSNS上で拡散されている。

 また、中部マグウェーでは2月9日、デモ抗議を行う大勢の市民らに警察が放水を行なっていた際、3人の警察官が市民と向かい合った隊列から突然飛び出て、持っていた盾をかざしながら市民を守るようにして放水車の前に立ちはだかった。その瞬間、市民からはどよめくような歓声が上がり、3人の警察官に対しても容赦なく浴びせられる放水から、彼らを守るような行動に出る大勢の市民らの姿を捉えた映像も、急速に広まっている。

 本来、デモ抗議の取り締まりに当たる任務を担わされている警察官が、次々に市民側のデモ抗議に参加する様子は、SNSに投稿されると、あっという間に賞賛のコメント共に拡散され、それがさらに民衆のデモ抗議の勢いを加速させているように見える。

「コスプレ」をして国軍に抗議

 若者らしく「コスプレ」をしてデモ抗議に繰り出す光景も増えている。

 スパイダーマンの着ぐるみを着て、「#SAVE MYANMAR(ミャンマーを救え) 」「軍隊を拒否せよ」「ミャンマーに正義を!」とマジックで書き込んだ大きな段ボール紙を掲げて歩く者。結婚式がクーデターにより延期になったカップルらがウエディングドレスやタキシードを着たまま練り歩き、「未来の私たちのベビーに独裁はいらない!!」「私たちは結婚式の延期を受け入れることはできます。でもこのクーデターのためにではありません!」と抗議する様子。

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筆者

海野麻実

海野麻実(うみの・まみ) 記者、映像ディレクター

東京都出身。2003年慶應義塾大学卒、国際ジャーナリズム専攻。”ニュースの国際流通の規定要因分析”等を手掛ける。卒業後、民放テレビ局入社。報道局社会部記者を経たのち、報道情報番組などでディレクターを務める。福島第一原発作業員を長期取材した、FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『1F作業員~福島第一原発を追った900日』を制作。退社後は、東洋経済オンラインやForbes、共同通信47Newsなどの他、NHK Worldなど複数の媒体で、執筆、動画制作を行う。取材テーマは主に国際情勢を中心に、難民・移民政策、テロ対策、民族・宗教問題など。現在は東南アジアを拠点に海外でルポ取材を続け、撮影、編集まで手掛ける。取材や旅行で訪れた国はヨーロッパ、中東、アフリカ、南米など約40カ国。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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