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「拡大する民衆デモ」vs「じわじわ規制を強めるミャンマー国軍」~ヤンゴン緊急リポート第五弾

松下英樹 Tokio Investment Co., Ltd. 取締役

 国軍によるクーデターが発生したミャンマー。最大都市のヤンゴンでは市民の抗議活動が拡大している。これに対し、国軍は着々と統制を強化。既に200人以上を逮捕・拘束し、ネット規制に乗り出した。ヤンゴン在住の日系投資会社役員、松下英樹さんの緊急レポート第五弾。
松下英樹(まつした・ひでき) ヤンゴン在住。2003年より日本とミャンマーを往復しながらビジネスコンサルタント、投資銀行設立等を手がけ、ミャンマーで現地ビジネスに最も精通した日本人の一人として知られている。著書に「新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由」(講談社プラスアルファ新書)

 2月12日(現地時間)、ミャンマーは「連邦の日」の祝日であった。6日から始まった抗議デモは最大規模に拡大し、ヤンゴンの街は抗議の声を上げる市民で埋め尽くされた。Civil Disobedience Movement (CDM=市民的不服従運動)を合言葉に、公務員を含む多くの国民が仕事を休んでデモに参加しているため、8日からは行政機能、銀行も業務を停止しており、経済活動は麻痺している。

 一方で、軍政は着々と統制を強化している。10日、運輸・通信省は突如、言論統制を可能にするサイバー・セキュリティ法案を発表。インターネット・サービス・プロバイダを含む全ての通信事業者に対し、2月15日までにユーザの個人情報を含む全ての通信記録を政府が指定するデータセンターで保管することに同意するように迫っている。

 12日は東部モン州の州都モーラミャインで大学が封鎖され、立てこもっていた学生数名が負傷した。NLD幹部および職場放棄を主導した公務員らを中心に逮捕・拘束されたものは既に200名以上に上っている。

 国際社会の関心も高まっている。米国では10日付で大統領令が承認され、10名の国軍関係者および関連企業3社が制裁対象に加えられた。日本では与野党の国会議員がスーチー氏らの即時解放を求める声明を発表。国連では12日、人権理事会の特別会合が開催され、暴力行為を控え人権や自由、法の支配を尊重すべきだとする決議案が採択された。

 抗議活動の盛り上がりに比例して、弾圧も強まっており、双方ともに譲る気配はない。いずれ大規模な衝突が起こることは不可避であろう。昨日は無事だったが、果たして今日は……。国民は不安を募らせている。

拡大2月11日 ヤンゴン市 英語で書かれたメッセージボードを掲げる女性 (友人が撮影)

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筆者

松下英樹

松下英樹(まつした・ひでき) Tokio Investment Co., Ltd. 取締役

ヤンゴン在住歴18年目、2003年より日本とミャンマーを往復しながらビジネスコンサルタント、投資銀行設立等を手がけ、ミャンマーで現地ビジネスに最も精通した日本人として知られている。著書に「新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由」(講談社プラスアルファ新書)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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