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ロシアと中国の「ワクチン外交」戦略

人命にかかわるワクチン支援動向を見極めよ

塩原俊彦 高知大学准教授

中国製は有効性に疑問だが、大人気

 中国は、国内でシノファーム(BBIBP-CorV)、シノヴァック(CoronaVac)、康希諾生物(カンシノ・バイオロジックス, Ad5-nCoV)の3社のワクチンを承認済だ。このうち、シノファームのBBIBP-CorVについては、アラブ首長国連邦(UAE)とバーレーンで承認されている。2020年12月の段階で、自国民100万人と外国人800万人の合計900万人分のワクチンを接種する方針で、そのなかには、シノファーム製ワクチンも含まれている、と「フィナンシャル・タイムズ電子版」は伝えている。

 中国製ワクチンに注目して事前購入契約の実績をみると、

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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