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脱炭素社会の実現のカギを握る水素:世界の覇権争奪にも影響/上

先行する欧州と追うロシア

塩原俊彦 高知大学准教授

水素利用計画が具体化 

 欧州の水素戦略で驚かされるのは、バス・タクシーといった自動車を水素エネルギーの利用によって動かすだけでなく、大規模な製鉄所や科学コンビナートなどにも水素エネルギーを活用するという明確な計画があることだ。

 たとえば、シェルの発表によれば、同社はオランダのロッテルダムでグリーン水素のハブを建設するコンソーシアムの一員となっており、2020年7月、シェルとエネコ(オランダの総合エネルギー事業会社)は北海で760メガワットの洋上風力発電プロジェクトを落札済みだ。この電力を利用して、ロッテルダム港に200メガワットの電解装置を稼働させてグリーン水素を製造する計画が進行している。余剰水素はロッテルダム港の製油所に供給される。この電解装置の最終投資決定は2021年になる。

 ほかにも、シェルは2020年11月、中国で初の商用水素プロジェクトを発表し

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

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